科目名 情報と企業
単位数 2.0
担当者 情報科学研究科情報工学専攻 教授 前田 香織、 教授 田中 宏和
履修時期 後期
履修対象 1年(~4年)
概要 ICT(情報通信技術)を中心とした各企業の取り組みを通じて実社会の状況を知ることを目的とする。
本科目は、(財)経済広報センターによる教育支援活動の一環として慶應義塾大学に開設された寄付講座を、実時間遠隔講義環境を利用して、慶応義塾大学総合政策学部・環境情報学部(SFC)、同志社大学政策学部、広島市立大学の3拠点を接続し、広島市立大学から参加できるようにしたものである。
毎回、様々な企業で活躍中の方々を講師として迎え、各企業での取り組みについて講義いただくという形式をとる。また、講師との質疑応答時間も用意される。本講義では、実時間遠隔講義環境を通して、講義中の質疑応答等双方向の対話が可能であり、講師および他の大学の様子等が表示され、また、本大学の様子も他の拠点に表示される。
科目の到達目標 ・実社会での企業活動の様子を知る
・講義を通して将来のキャリア形成の参考とする
・企業活動やそれをとりまく社会動向に関心をもつ
・多様な分野、普段話しを聞く機会の少ない講師なので、積極的に質問をする
・小課題やレポートで自分の考えをまとめて記述できるようになる
受講要件 ・第1回目のガイダンスは必ず出席すること。ガイダンスに出席していない場合は履修を認めない。
・遠隔講義施設のある教室の定員により履修人数を制限する場合がある。
・以下の受講生の感想を参考に、積極的に講義に臨むこと。
 受講生の感想(抜粋)
「この講義を受講して、企業や企業活動のイメージは変わりましたか?」
・半年の講義で自分の中の企業に対するイメージは大きく変わった。私はどの企業も厳格な規律があり、上から与えられた仕事を淡々とこなすといったイメージがあり、企業ごとの個性をあまり感じていなかった。しかし、企業には各々個性があり、それぞれのやり方や理念などを持っている、そのことを講義を通して学べたと思う。どの企業も独自の社風があり、それぞれのセンスやユーモアを発揮し、自分たちの特色を生かし成長している。そこに自分も加わり、共に社会に貢献できるようになりたいと思った。

・最初の企業へのイメージは「利益の追求」でした。そして講師の方々のお話を聞くと、たしかに企業・会社を運営するために利益は必要だと改めて思いました。しかし、どの企業も何らかの形で地域貢献していることが分かりました。また、他の企業と提携を組み、これもまた、私たち市民の役に立つような形で提供されていました。これらより、企業のイメージは良い方向へと変わりました。利益だけでなく人と人とのつながりを大切にしているのだと思いました。

・情報と企業の講義でお話をしてくださった講師の方々が所属している企業は世間的に有名な企業ばかりで、また様々な視点からお話をしていただき、多くの事を学ぶ事ができました。失敗や苦悩を話された講師の方もけっこういらっしゃって、有名な大きな企業でも進化し続けないと企業が成り立たなくなってしまう事が一番勉強になりました。大きな企業は今の状態を保っているイメージがあったけど、それだけではなくさらに上を目指しているという点でイメージが変わりました。

・企業の視野は自分が考えている以上に広い事がわかった。ビジネスチャンスを大衆向けだけでなく、確実に利益が出る小さな所まで注目している。さらに、他業種の方へとビジネスチャンスを獲得できるように考えて企業活動が行われている。このことから、求められている人材も意欲だけでなく視野の広い人が求められている事がわかった。

・企業に対しての最初のイメージは、たくさんある企業の中で生き残るために、新しいことにどんどん取り組んで色々な工夫を凝らしているというものでした。しかし、色々な企業の方のお話を聴いてそのイメージは変わりました。もちろん生き残るためというのはあると思いますが、定年退職した後の人たちに何かできることはないかなど、何かが不自由な人のために何か作ることはできないか等、誰かのために何かできないかという強い気持ち、誇りを持って仕事に取り組んでいるということです。自分も後少しで社会に出ることになると思うので、今のままではいけないと改めて感じました。

・どの講義も企業のこれからの方針とそれに対する問題点と解決策を話してくださいました。講義を受けて自分は人数の減少という問題が想像していた以上に企業にダメージを与えているという事実に驚きました。特に情報系、工学系の企業にもダメージがあるということに驚き、また不思議に思いました。そして企業が求めている人材の説明や自分のような若い世代に対する期待といった就職活動に関することも教えて下さいました。自分の中で何が変わったかはわかりませんが自分の将来に対して意識が少し変わったような気がします。

・私は、大企業・中小企業という2つの企業の特色は分かれていると思っていましたが、大企業の中、中小企業の中でも全く特色が違うということがわかりました。この授業を通じて、各企業の特色や重要視していることが違うということがわかりました。それらを考慮した上で、就職したい企業を考えなければならないと思いました。また、コミュニケーションの重要性を感じました。コミュニケーションによって、自分の考えを伝えなければならないです。このコミュニケーション力は、レポートや講師の方のお話によって養っていくようにしようと思いました。私は企業によって全く違う個性があることと、コミュニケーションの重要性について考え方が変わりました。

・企業活動はお客様を第一に考えている事が分かった。様々な職業の方々が講義をしていてどの講義にも共通しているのがいかにお客様の負担がかからずにかつ満足に利用できるかという所だと思った。現在ある大企業も昔は中小企業でどうすれば商品が売れるかを日々試行錯誤をするなど地道な努力を行った結果、今の状況になっているということが分かった。講義を受ける前は開発した商品が売れるかどうかは運任せだと思っていた。

・「企業や企業活動」についてこの講義が始まるまでは、内容が難しく自分にはついていくことができるのかということを心配していました。しかし、毎回講義で話を聞かせていただいて、とてもわかりやすく、今はまだ就職活動もなにも将来のことについて決まっていない現状でしたが、自分が将来どのように行動し、どのような会社で何をしていくことが大切なのかということをアバウトにつかむことができたように感じました。これからはそれらの貴重な体験も生かして自分を磨いていこうと思いました。

・今まで持っていた、漠然とした企業というものの靄が晴れたと思います。以前までは企業に対しては、顧客としての目線でしか見れていませんでしたが、企業の内部の人からのお話が聞けたので、視野が広がりました。特に、その企業が力を入れている事業についての詳しい説明を受けれたので、現在の企業が生き残るために工夫していることがよく理解でき、その企業に必要とされている人材像がつかめました。いい講義だったと思います。

・情報と企業で講師をしてくださっている方々は大企業の方が多く、遠隔授業なのにも関わらず比較的眠くなることは少なく講義を聞くことができました。大企業の取締役などの方々も基礎を大切にすることが多く、好奇心や自ら新しい道へ進む方々が多いと実感しました。大人の方々は私たち若者に期待をしており、私たちはその期待を裏切らないような充実した学生時代を送らないといけないと前から思っていましたが、ますます強く思うようになりました。

・私は今まで「企業」というものに対しての認識がとても曖昧なものでした。この授業では主に通信系の企業の方のお話を聞くことができましたが、やはり一番耳に残ったのはベンチャー企業のお話です。今までなかった着想から新しい事業を始めるための準備や苦難といったものがとても印象深かったです。そして、今の企業が必要としている人材というものが、どいういったものであるかも少し考える機会となり、とても貴重な経験となったと思います。様々な企業のもつ理念、そのための工夫。普段では耳にすることのない、とても実のある講義だと思います。
事前・事後学修の内容 ・講義資料を事前にIts'Classdで閲覧できるので、目を通して質問を考える
・レポート課題の作成に向けて、毎回の講義の復習をする


講義内容 2017年1月現在、2016年度の講師の調整中。後期開始時期に掲示板等で2016年度分を紹介する。参考までに2016年度の内容を示す。

2016年度講義内容
1)  「ガイダンス」 前田・田中
2) 2016/10/11 (SFC発信)
「ライフネット生命の挑戦」
ライフネット生命保険(株) 出口 治明 代表取締役会長
3) 2016/10/18 (SFC発信)
「マイクロソフトのワークスタイル変革事例紹介~業務効率とワークライフバランスの向上~」
日本マイクロソフト(株) 小柳津 篤エグゼクティブアドバイザー
4) 2016/10/25 (SFC発信)
「銀行の情報システムの将来像」
日本銀行 岩下 直行 決済機構局 審議役 FinTechセンター長
5) 2016/11/01 (同志社大発信)
「京都を愛するチャレンジ経営」
こと京都(株) 山田 敏之代表取締役
6) 2016/11/08 (同志社大発信)
「小さな企業の社会貢献」
(株)カスタネット 植木 力 代表取締役社長・社会貢献室長
7) 2016/11/15 (同志社大発信)
「“国民や地域と歩む中小企業”をめざして」
京都中小企業家同友会 荻原 靖 専務理事
8) 2016/11/22  (広島市立大発信)
「ITと行動格差の時代」 ~活躍できる人の要件~
(株)ドリーム・アーツ 山本 孝昭 代表取締役社長
9) 2016/11/29  (広島市立大発信)
「エネコムのビジネス戦略」
  (株)エネルギア・コミュニケーションズ 折出 一夫 営業本部 営業副本部長

10) 2016/12/06  (SFC発信)
「M2Mを支えるクラウド&サイバーセキュリティ」
富士通(株) 岡田 昭広 セキュリティマネジメントサービス事業本部長
11) 2016/12/13  (SFC発信)
「長寿で、隠れた秀逸な国際的中小企業をめざして」
フジイコーポレーション(株) 藤井 大介 代表取締役
東北大学 福嶋 路 大学院経済学研究科教授
12) 2016/12/20 (SFC発信)
「オンライン英会話サービスの取り組みについて」
(株)レアジョブ 中村 岳 代表取締役社長
13) 2017/1/10(SFC発信、オンデマンド講義)
「情報通信産業のトレンド概説」
(株)情報通信総合研究所 神野 新 ICT基盤研究部 第一グループ主席研究員
14) 2017/1/17  (SFC発信、オンデマンド講義)
「中小企業は知恵の経営」
日本政策金融公庫 村上 義昭 総合研究所主席研究員
15) 2017/ 1/24(広島市大単独)
  「総括」 前田、田中
評価方法 講義では毎回講義に関する小課題を課す。また、講義中の質問を講義の積極的な参加として評価する。それ以外に全講義の内容を踏まえたレポート課題が数回出される。レポートの評価は、いかに講義中の話を理解して自分の意見を考えているかを重視する。したがって、出席もせずにインターネットで調べるなどしてレポートを作成しても評価されない。成績評価は小課題の評価とレポートの評価に質問などの受講態度も加味して評価を行う。
初回のガイダンスを受講していない場合は履修登録しても不可とする。また、受講態度が悪い受講者に対して注意、警告の上、不可とする場合がある。
教科書等 講師から資料が提供される場合はIt's Classでアップロードする。
担当者プロフィール 授業内容や宿題などに関する、学生の個別学習相談を随時受け付けています。
教員の所在は、学内サイネージ等に掲示されていますので、確認の上、研究室を訪ねてみてください。
備考 ・他大学の講義開講日程により、冬休みに講義実施をする場合がある。
・就職活動を控えた学生には企業戦略等に関する講義が聴ける有効な機会である。
・質問を積極的にすること。