科目名 哲学B
単位数 2.0
担当者 国際学部准教授 柿木伸之
履修時期 後期
履修対象 1、2年次以上
概要 哲学すること、それはこの世界に生きること自体を問い、自分が生きる可能性を新たな視野の下で見通そうと試みることです。それは「あたりまえ」になっていることを問い、日常生活の前提を揺さぶる思考の冒険にほかなりません。実際、古代ギリシアに始まる哲学の歴史のなかで哲学者たちは、世界のなかで、また社会のなかで生きることにとってなくてはならないが、普段は問われることがない事柄を問い続けてきました。哲学者たちは、例えば知の原理とは何か、生きるとは、また死ぬとはどういうことか、自由であるとはどういうことか、言語とは何か、といった問いに正面から取り組んできたのです。本講義では、ここに挙げた「知の原理」、「生と死」、「自由」、「言語」という四つのテーマを焦点としながら、主に近代以降の哲学者たちの思考をたどっていきます。そのことは受講者にとって、これら四つのテーマや関連する事柄についてみずから問いを立て、この世界に生きる自分自身の可能性を、これまでより広い視野の下で見通そうと試みるきっかけになるはずです。
科目の到達目標 近代以降の哲学的思考の成果を踏まえたうえで、みずから哲学するための基礎的な能力の育成がねらいです。
受講要件 安易に「情報」としての解答を求めるのではなく、哲学者たちが格闘した問題を自分自身の問題として考えようとする姿勢が、本講義の受講の要件です。
事前・事後学修の内容 1回の講義につき、教科書の各1節の内容を扱います。講義の前に、It’s Classの本講義のサイトに「教材」としてアップロードされている教科書の該当する節を紙面にプリントして目を通し、プリントしたものを持参して講義に臨んでください。講義に際しては、講義の内容を自分自身の経験と照らし合わせながらさらに考えるよう努めてください。講義後は、講義の内容を自分のノートなどによって振り返るとともに、講義のなかで紹介される文献をできるだけ数多く読むようにしてください。
講義内容 以下のような予定で講義を進めていきます。
1.イントロダクションI:哲学することへの誘い
2.イントロダクションII:講義のテーマへの導入
3.知の原理を捉えるI:考える私の発見
4.知の原理を捉えるII:経験としての知
5.知の原理を捉えるIII:知の主体とその限界
6.生と死を考えるI:死から生を見つめる
7.生と死を考えるII:自分の死と他者の死
8.生と死を考えるIII:生きることのダイナミズム
9.自由であることを問うI:決定論という深淵
10.自由であることを問うII:自律としての自由
11.自由であることを問うIII:他者とのあいだにある自由
12.言語とは何かI:像とゲーム
13.言語とは何かII:行為としての言語
14.言語とは何かIII:他者と応え合う言葉
15.まとめ
評価方法 各回の講義をつうじて考えたことを記したコメントの内容と、すべての講義に出席し、講義後に充分に復習したことを前提とする学期末試験とを総合して評価します。出席自体は評価の対象とはしませんが、10回以上の出席が学期末試験受験の条件です。出席回数は各自で管理してください。
教科書等 教科書は、It’s Classの本講義のサイトに「教材」としてアップロードされています(PDFファイル)。受講者は、これを各自ダウンロードして、講義で扱われる節を紙面にプリントして講義に持参してください。各節のタイトルは、シラバスに記された各回のテーマに対応しています。参考書は、講義のなかで随時紹介します。
担当者プロフィール 研究の専門領域は、近・現代ドイツの哲学と美学。現在はとくに、20世紀前半に思想家として、批評家として、また類いまれなエッセイストとしても活躍したヴァルター・ベンヤミンの思想に強い関心を持って取り組んでいます。著書に『ベンヤミンの言語哲学──翻訳としての言語、想起からの歴史』(平凡社、2014年)、『パット剝ギトッテシマッタ後の世界へ──ヒロシマを想起する思考』(インパクト出版会、2015年)などがあります。
備考