科目名 基礎化学
単位数 2.0
担当者 医用情報科学科 教授 鷹野 優 
履修時期 前期
履修対象 1年
概要 私たちのまわりの人間、植物、動物、空気、水などは全て物質とよばれるものです。化学はそのような物質が何でできているか、どのようにつくられるか、どんな性質をもっているか、またどのように変化・反応するかを理解する学問です。現代社会の発展や問題に化学は大きく関わっていますので、その基本を理解することはとても大切です。
化学は,さまざまな物質の性質や反応性をとりあつかうため、複雑な印象をもつかもしれません。しかし,すべての物質は原子からなり,また原子は核と電子でできています。この講義では、この基本に立ち返り化学の基本的な原理を二つの観点から説明します。一つは、さまざまな物質をかたちづくる化学結合を量子力学を用いて学び、物質の原子・分子のレベルの性質を理解できるようにします。もう一つは、気体、液体、固体という物質の状態を原子・分子の集団としてとらえ、それぞれの状態のもつ性質を学びます。
授業は講義の形態で行います。
科目の到達目標 現代化学の基本的な概念である物質を構成する原子や分子を論理的に記述・解釈する方法を理解し,原子や分子の性質を考えられるようにします。また,物質を構成する原子や分子を意識して,それらの集合体である気体,固体,液体にあらわれる共通の性質を理解できるようにします。
受講要件 特になし。
事前・事後学修の内容 事前学習として、教科書の該当する部分を読んできてください。事後学習として、演習問題を宿題にしますので,必ず提出してください。
講義内容 1.化学とは
なぜ化学を学ばなければならないか、その必要性について説明します。また本講義でどの様に化学を学ぶか、その視点について解説します。
2.元素と原子
元素を構成している原子について、基本的な概念や性質を学びます。(第3章:周期表と原子の構造)
3.水素原子のボーアモデル
原子は原子核と電子からなり、電子は原子核の周りに離れて存在しています。水素原子のエネルギー状態を正しく記述するボーアの惑星モデルについて学びます。(第4章:電子構造と周期表)
4.波動と粒子の両面性
波と考えられていた光は粒子の性質を、粒子と考えられていた電子は波の性質をもっています。このような光と電子がもつ波動と粒子の両面性を理解し、量子力学の基本概念である不確定性原理について学びます。(第4章:電子構造と周期表)
5.水素原子の量子力学モデル
水素原子の量子力学モデルについて、その概念を学びます。(第4章:電子構造と周期表)
6.水素原子の原子軌道
水素原子の量子力学モデルから生まれる原子軌道について,その概念を学びます。(第4章:電子構造と周期表)
7.原子の電子配置
水素の量子力学モデルを多数の電子が存在する一般的な原子に拡張して、原子軌道にどうのように電子が配置されるのか、またその電子配置をもとに何が分かるのか、一般的な原子の構造と性質について学びます。(第4章:電子構造と周期表)
8.元素の周期表
周期表に見られる原子の性質の周期性がいかにして生じるかを、原子の電子配置により電子が占める原子軌道の数や形をもとに学びます。(第4章:電子構造と周期表)
9.化学結合Ⅰ
二つの原子が近づくと、斥力に比べ引力のほうが大きければ安定な分子ができます。こうしてできる分子、あるいは化学結合は、理想的にはイオン結合か共有結合になります。イオン結合や共有結合に代表される化学結合がどのようにして生じるかを学びます。(第5章:化学結合 一般的概念)
10.化学結合Ⅱ
金属結合,水素結合,配位結合など分子に見られる各種結合の性質を学び,分子の分極について理解します。(第5章:化学結合 一般的概念)
11.分子構造
水の“く”の字型、アンモニアは傘型の構造に代表されるように、分子は独自の形をとります。結合の方向性や混成軌道の概念をもとに、分子の構造がどのようにして決まるかを学びます。(第6章:共有結合と分子構造)
12.物質三態・状態変化・相平衡
熱の出入りに伴う物質系の変化(気体、液体、固体間の相変化)と2つ以上の相の間の平衡関係をあらわす状態図(相図)について学びます。(第10章:物質の状態と分子間力)
13.気体の性質
気体の分子運動論をもとに気体の性質を分子論的に学びます。また、理想気体として取り扱うことができない実在気体の状態方程式を学びます。(第9章:気体の性質)
14.液体と溶液の性質
液体の性質、気体・液体・固体の液体への溶解、希薄溶液が示す蒸気圧降下、沸点上昇、凝固点降下などを学びます。(第11章:溶液の物理的性質とコロイド)
15.固体の構造
固体の性質が、構成する粒子(分子・原子)の性質からどのようにしてあらわれるかを理解し、構成する粒子の規則的な配置や構造について学びます。(第10章:物質の状態と分子間力)
※授業の順序は変更することがあります。
※上記とは別に期末試験を実施します。
評価方法 評価基準:化学の基本的な概念(原子の構造、原子の周期表、化学結合、分子の構造)が、原子軌道や分子軌道の概念をもとに記述できること。また、物質の状態変化と気体、液体、固体の性質を、構成する分子の性質をもとに記述できること。
評価方法:期末試験の成績を評点として、上記の評価基準の達成度を広島市立大学履修規程に従い評価します。
教科書等 教科書:若山信行他訳,ブラディ「一般化学(上)」(東京化学同人)ISBN:4807903470
担当者プロフィール 鷹野:専門は計算化学。シミュレーションやインフォマティクスを用いたタンパク質の研究をしています。詳しくは,個人のホームページ(https://sites.google.com/site/yutakano74/)を参照してください。
【学生の学習指導・支援体制について】
授業内容や宿題などに関する、学生の個別学習相談を随時受け付けています。学内サイネージ等で、教員の所在を確認の上、研究室を訪ねてください。
備考