科目名 社会文化思想史Ⅰ
単位数 2.0
担当者 准教授 柿木 伸之
履修時期 後期
履修対象 1年次以上
概要 古代ギリシア以来、哲学者をはじめとするヨーロッパの思想家たちが、人間そのものについて、あるいは人間の倫理や社会のあるべき姿について考えてきた内容は、今なお、私たちがそのなかで生きている社会の基層をなしていたり、倫理的な規範の基本的な前提を形づくったりしていることでしょう。ここでは、ヨーロッパの思想の流れを、時代ごとの文化にも目を配りながらたどることで、現在の社会の仕組みとその前提にある人間観を根底から問い直す手がかりを探っていきます。前期の講義では、古代ギリシアからルネサンスまでの思想と芸術を、その後代への影響も視野に収めながらたどっていくことにします。
科目の到達目標 ヨーロッパにおける人間と社会をめぐる思想の歴史を文化史的な奥行きをもって理解し、今ここを見つめ直す思考の糧を得ることがねらいです。また、他の人文学と社会科学に関する講義を受講する際の基礎になる知識と教養を身につけることも、講義の目標の一つです。
受講要件 安易に「情報」としての解答を求めるのではなく、思想家たちが格闘した問題を自分自身の問題として考えようとする姿勢が、本講義の受講の要件です。
事前・事後学修の内容 講義の内容について考えたことを自分なりの問題意識に高めるよう努めてください。また、講義のなかで紹介される文献をできるだけ数多く読むようにしてください。なお、ヨーロッパの社会思想と文化史に一定の見通しを得て、それらについての知見を他の講義に生かすためには、近代以後の流れに目を向けることも欠かせないので、「社会文化思想史Ⅱ」も継続して受講することが望ましいです。
講義内容 おおよそ以下のような予定で講義を進めていきます。進行などに応じて順序や内容を変更することもありえます。
1.イントロダクション
2.古代ギリシアのポリスの成立
3.ギリシア悲劇の世界
4.ソフィストとソクラテス
5.プラトンの思想
6.アリストテレスの思想
7.ヘレニズム期の思想と芸術
8.原始キリスト教の思想
9.アウグスティヌスの思想
10.キリスト教的ヨーロッパの発展(中世の芸術)
11.イスラム世界との交流と大学の成立
12.トマス・アクィナスから中世末期へ
13.ルネサンスとは何か(ルネサンスの芸術)
14.マキアヴェッリと人文主義者の思想
15.まとめ
評価方法 各回の講義をつうじて考えたことをひと言記したコメントの内容(50パーセント)、各回講義の冒頭での前回の講義の簡潔なまとめの発
表(最初の2回の講義で割り当てを決めます:20パーセント)、そして参考文献として紹介した図書一冊についての2000字以上の書評
(最後の講義で発表していただきます:30パーセント)を総合して評価します。出席自体は評価の対象になりませんが、10回以上出席し
た履修者だけが成績評価の対象になります。出席回数は各自で管理してください。
教科書等 教科書は用いません。参考文献は、講義のなかで随時紹介します。
担当者プロフィール 研究の専門領域は、近・現代ドイツの哲学と美学。現在はとくに、20世紀前半に思想家として、批評家として、また類いまれなエッセイ
ストとしても活躍したヴァルター・ベンヤミンの哲学的思考に強い関心を持って取り組んでいます。著書に、『ベンヤミンの言語哲学──
翻訳としての言語、想起からの歴史』(平凡社、2014年)、『パット剝ギトッテシマッタ後の世界へ──ヒロシマを想起する思考』(イ
ンパクト出版会、2015年)などがあります。翻訳書に、細川俊夫『細川俊夫 音楽を語る──静寂と音響、影と光』(アルテスパブリッシング、2016年)があります。
備考