科目名 社会文化思想史Ⅱ
単位数 2.0
担当者 准教授 柿木伸之
履修時期 後期
履修対象 2年次以上
概要 古代ギリシア以来、哲学者をはじめとするヨーロッパの思想家たちが、人間そのものについて、あるいは人間の倫理や社会のあるべき姿について考えてきた内容は、今なお、私たちがそのなかで生きている社会の基層をなしていたり、倫理的な規範の基本的な前提を形づくったりしていることでしょう。ここでは、ヨーロッパの思想の流れを、時代ごとの文化にも目を配りながらたどることで、現在の社会の仕組みを根底から問い直す手がかりを探っていきます。後期の講義では、宗教改革期から20世紀までの社会思想と芸術のありようを、その現代的意義も探りつつたどっていきます。
科目の到達目標 ヨーロッパにおける人間と社会をめぐる思想の歴史を文化史的な奥行きをもって理解し、今ここを見つめ直す思考の糧を得ることがねらい
です。また、他の人文学と社会科学に関する講義を受講する際の基礎になる知識と教養を身につけることも、講義の目標の一つです。
受講要件 安易に「情報」としての解答を求めるのではなく、思想家たちが格闘した問題を自分自身の問題として考えようとする姿勢が、本講義の受講の要件です。また、講義のなかで近代以前の思想に言及することもあるので、「社会文化思想史Ⅰ」を受講していることが望ましいです。
事前・事後学修の内容 講義の内容について考えたことを自分なりの問題意識に高めるよう努めてください。また、講義のなかで紹介される文献をできるだけ数多く読むようにしてください。
講義内容 おおよそ以下のような予定で講義を進めていきます。進行などに応じて順序や内容を変更することもありえます。
1.イントロダクション
2.近代における自然観と人間観の転換
3.宗教改革の思想
4.近代初期の社会思想(ホッブズとロックを中心に)
5.啓蒙主義の思想とルソーの社会契約論
6.カントの『永遠平和のために』
7.オペラとは何か
8.アダム・スミスの思想
9.ヘーゲルとマルクスの思想
10.人間観の転換(進化論、ニーチェ、フロイト)
11.20世紀における芸術の変革
12.ヴェーバーとシュミットの思想
13.批判理論の展開
14.フーコーの思想とその後
15.書評発表会とまとめ
評価方法 各回の講義をつうじて考えたことをひと言記したコメントの内容(50パーセント)、各回講義の冒頭での前回の講義の簡潔なまとめの発
表(最初の2回の講義で割り当てを決めます:20パーセント)、そして参考文献として紹介した図書一冊についての2000字以上の書評
(最後の講義で発表していただきます:30パーセント)を総合して評価します。出席自体は評価の対象になりませんが、10回以上出席し
た履修者だけが成績評価の対象になります。出席回数は各自で管理してください。
教科書等 教科書は用いません。参考文献は、講義のなかで随時紹介します。
担当者プロフィール 研究の専門領域は、近・現代ドイツの哲学と美学。現在はとくに、20世紀前半に思想家として、批評家として、また類いまれなエッセイ
ストとしても活躍したヴァルター・ベンヤミンの哲学的思考に強い関心を持って取り組んでいます。著書に、『ベンヤミンの言語哲学──
翻訳としての言語、想起からの歴史』(平凡社、2014年)、『パット剝ギトッテシマッタ後の世界へ──ヒロシマを想起する思考』(イ
ンパクト出版会、2015年)などがあります。翻訳書に、細川俊夫『細川俊夫 音楽を語る──静寂と音響、影と光』(アルテスパブリッシング、2016年)があります。
備考