科目名 民族国家論Ⅱ
単位数 2.0
担当者 大庭千恵子
履修時期 後期
履修対象 3年
概要 この講義では、「nation-state」の中でマイノリティとして位置付けられていく存在に注目しつつ、とくにここ数年に世界各地で生じているさまざまな事例を通して、21世紀における「nation-state」の変容について考えます。
 ひとつひとつの事例は、みなさんが一度はどこかで耳にしたことがある事例をとりあげますが、改めて別の見方があると気づいたり、別々に聞いたことがある知識や情報を結び付けられるようになりましょう。「nation-state」なんて自分の日常生活には関係ないと考えている人が多いかもしれませんが、自分が知らない(気が付いていない)だけで、実はいま自分が生きている社会のあり方にも大きな影響を与えているのかもしれません。
科目の到達目標 日本も含め、世界各地で起きているさまざまなニュースを聞いたとき、自分には関係のないことではなく、その背景や課題、国際社会による対応などの知識を繋げて、多角的に考えられるようになることが目標です。
受講要件 現在、私たちの周りで何が起きているのか、それはなぜなのか、その背景には何があるのか、別の視点からみたらどのように見えるのか、ということに関心を持ちつつ、さまざまなニュースに接してみてください。
事前・事後学修の内容 毎回の講義中に使用したパワーポイントをe-learningの「教材」にアップしますので、復習やレポート作成のために、各自で確認してください。
講義内容 第一部 イントロダクション
 1.初回ガイダンス、単位取得の要件、この講義で扱う「マイノリティ」とは
 2.「nation-state」が成立すると、なぜマイノリティが現れるのか  

第二部 nation-stateと「マイノリティ」をめぐるさまざまな課題:「人種」「宗教」「言語」「貧困」
 3.植民地独立によるnation-state形成と反人種主義
 4.「人種」と「宗教」再考
 5.言語的マイノリティと「貧困」
 6.「国語」をもたないnation-stateと「言語権」

第三部 nation-stateが崩れるとき
 7.内政不干渉原則か、国際社会による「介入」か 
 8.旧ユーゴスラヴィア紛争と「その後」から見えること
 9.なぜ「未承認国家」が生まれるのか

第四部 いま、nation-stateはどう動いているのか
 10. 「地域主義」から見る 
 11. 「主権」から見る 
 12. 「市民社会」から見る 
 13. 「再国民化」から見る 

第五部 まとめ
 14. 日本における「マイノリティ」
 15. 後期授業のまとめ - 小レポート作成

*講義最終日の小レポート作成は、単位取得のためには必須です。詳細は、初回ガイダンスで説明します。
評価方法 1.毎回の講義内容について、授業終わりの10分間を使って受講票を作成(50点満点で評価)
2.小レポート作成(50点満点で評価)-講義最終日

*単位取得のためには、上記1と2の合計点が60点以上であることが必要です。
教科書等 教科書は指定しません。必要な資料は、毎回の講義時間中に配布します。
 
この講義と関連した参考文献としては、以下のものがあります。

久保文明ほか『マイノリティが変えるアメリカ政治』NTT出版、2012年。
松原好次ほか『言語と貧困:負の連鎖の中で生きる世界の言語的マイノリティ』明石書店、2012年。
眞嶋亜有『「肌色」の憂鬱:近代日本の人種体験』中央公論新社、2014年。
高橋進・石田徹『「再国民化」に揺らぐヨーロッパ:新たなナショナリズムの隆盛と移民排斥のゆくえ』法律文化社、2016年。
担当者プロフィール
備考