科目名 国際人権法Ⅱ
単位数 2.0
担当者 教授 太田 育子
履修時期 後期
履修対象 3年
概要  授業形態:講義+質疑応答です。

 講義前半では、オックスフォード大学出版会のVery Short Introductionsシリーズの英文テキストの抜粋を講読しながら、人権法Ⅰで学んだ内容を復習しつつ深めていきます。具体的には、拷問や恣意的勾留といった自由権の重大な侵害の問題と、食糧・教育・健康・住居・就業への権利といった今日的な社会権の主張が、さまざまな社会的文脈でどのように取り扱われているかを検討します。
 講義後半では、「東日本大震災と人権保障」をテーマに、現在進行形の状況の理解を進めるとともに、災害時の人権保障について、国際規範との接合という観点から検討します。具体的には、情報へのアクセス、避難、心身のケアの享受など、現場における被災者のニーズについて、人権保障の枠組で捉え実現するために、3.11災害後に国連人権理事会や条約委員会その他の国連機関が日本政府に行った勧告などを考慮し、「健康への権利 (Right to Health)」という概念の再構成を考察していきます。
科目の到達目標 (1) 国際人権法の基本概念を理解しつつ、各自の人間観を拡げ深めましょう。
(2) 現実と法とのかかわりを検討しつつ、自分自身の実現したい価値と人権規範・制度がどのような関係にあるか、
考え始めましょう。
受講要件  「法学(日本国憲法)」、「平和と人権」、「国際法」を履修していると、講義内容の理解がより深まるでしょう。
また、(前期・太田担当)「英語応用演習IV」を聴講しておくと、Very Short Introduction読解の助けになるかも知れません。
事前・事後学修の内容 http://www.veryshortintroductions.com/view/10.1093/actrade/9780198706168.001.0001/actrade-9780198706168のBook Previewでテキストが閲覧できます。、またhttp://blog.oup.com/2007/10/vsi_clapham/ に著者Andrew Claphamのインタビューが掲載されています。内容を実際に見て、興味をもった方々に受講していただければと思います。事前・事後学習は、毎回の講義で指示します。
講義内容 1 イントロダクション Preface / Final remarks (pp.159-163) その他資料説明
2 イントロダクション2・同上
3 Ch.2: The historical development of international human rights (pp.23-41)
4 Ch.2: (pp.42-56)
5 Ch.4: The international crime of torture (pp.81-95)
6 Ch.7: Food, education, health, housing, and work (pp.119-130)
7 Ch.7: (pp.131-142)
8 Clapham まとめ
9 人権の視点から見た福島原発事故と「健康への権利」
10 同上
11 国連特別報告者アナンド・グローバー「すべての者の到達可能な最高水準の身体及び
精神の健康の享受の権利(健康の権利)」・国連人権理事会への報告書およびその経緯
(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/page3_000237.html掲載の諸資料)の解説
12 同上
13 東日本大震災と人権保障・プレゼンテーション1(1月15日)
14 東日本大震災と人権保障・プレゼンテーション2(1月22日)
15 東日本大震災と人権保障・プレゼンテーション3(1月29日)
*原発事故など現在進行形の課題を扱うので、特に第8回以降のシラバス内容の随時の変更があり得ます。その場合は、後期開始の時点で、再度シラバスを配布予定です。
評価方法 第1-7回の平常点(50%)と「東日本大震災と人権保障」(第8-14回)に関するプレゼンテーションとレポート(50%)。
第1‐7回は、指名したら答えてください。
プレゼンテーションとレポート(第8-14回該当)評価に際しては、①書式・分量(20%)、②指定テーマに関する国際人権法知識(30%)、③各自の調査・分析・考察の手法と内容(50%)、を基準とします。
教科書等 Andrew Clapham, Human Rights (2nd ed.): A Very Short Introduction(Oxford U.P., 2015)の使用箇所はこちらで準備して配布します。
参考書:申ヘボン『国際人権法』(信山社、2013年)、広島市大国際政治・平和フォーラム『世界の眺めかた』(千倉書房、2014年)
担当者プロフィール 「国際法Ⅰ」プロフィールをご参照ください。
備考