科目名 ヨーロッパ国際関係史Ⅰ
単位数 2.0
担当者 教授 大庭千恵子
履修時期 前期
履修対象 博士前期課程1、2年
概要 2015年に急増したヨーロッパへ向かう「難民・移民」をめぐり、欧州各国は揺れ動いています。その一方で、2016年の英国におけるEU離脱国民投票を受け、2017年に予定されている独仏での選挙動向も予断を許さない情勢になっており、これからの2年間でヨーロッパ政治・経済は大きな転換点を迎えます。こうした動きは、ヨーロッパにとどまらず、世界各地に影響を及ぼすと考えられます。この講義では、現在ヨーロッパで何が起きているのか、基礎知識を確認したうえで、より深く考察します。
 また、各受講生の修士論文執筆テーマが、ヨーロッパを含む現在の国際関係の文脈ではどのように影響を受けるのかについて議論をし、執筆の一助とします。
科目の到達目標 今後数年間の世界情勢に影響を与えると予測されるヨーロッパ政治・経済の現状について、基礎知識から最新の状況まで、理解して、議論できるようになることをめざします。

また、議論の過程で、各受講生の修士論文執筆テーマが、ヨーロッパ情勢の変化からどのように影響を受けるのかについて各自が意識できるようになることをめざします。
受講要件 大学院生には、自分の専門を深めるだけでなく、より広い文脈にも関心を持てることが求められてきます。日常的に接するニュースについても、報道される事実の背景に何があるのか、という関心をもって多角的視野から見直す姿勢を持つように心がけてください。
事前・事後学修の内容 自分の修士論文トピックが、ヨーロッパを含む現代の国際関係の中にどのように位置づけられるのかについて、考えてください。
講義内容 I. 現代ヨーロッパ国際関係を理解するために
 1.イントロダクション - ヨーロッパとは何か
 2.欧州統合理論とEC/EUに関する基礎情報

II. 欧州統合の現状
 3.EU経済統合と2010年以降の金融・経済危機
 4.EUと加盟国の国家主権
 5.加盟国における国民投票
 6.急増する「難民・移民」

III.持続可能なリスクガバナンスとは
 7.高齢社会対策と福祉政策
 8.健康リスク管理
 9.環境政策
 10.エネルギー政策
 11. 外交・安全保障政策
 12. 国際テロリズム対策

IV. 考察
 13. 「Brexit」以後のEUは、どのような方向性をめざすのか
 14. 欧州における変化は、ほかの地域にどのような影響を及ぼすのか
 15. まとめの考察  
 

評価方法 ゼミ形式での報告、レジメ作成能力、ディスカッションなどの平常点を総合的に評価します。
教科書等 参考文献:
アンソニー・ギデンズ『揺れる大欧州』岩波書店、2015年。
伊藤さゆり『EU分裂と世界経済危機-イギリス離脱は何をもたらすか』NHK出版新書、2016年。
福田耕治編著『EU・欧州統合研究:”Brexit" 以後の欧州ガバナンス』成文堂、2016年(改訂版)。

その他、受講生との相談の上で、参考文献を紹介します。
担当者プロフィール 国際関係史専攻。
備考