科目名 日本近現代史Ⅰ
単位数 2.0
担当者 広島平和研究所 教授 永井 均
履修時期 前期
履修対象 博士前期課程1、2年
概要 第2世界大戦後の戦争犯罪裁判、特に東京裁判を多角的に分析し、この国際軍事裁判の特質を構造的に理解するとともに、戦後の国際関係や国際人道法発展への影響などについて探究する。
科目の到達目標 日本近現代史を一国史的ではなく、他国との関係性の中で複眼的に捉える見方を養う。
受講要件 特になし。
事前・事後学修の内容 講義で提示する参考文献・資料に目を通しておくこと。
講義内容 東京裁判は、今日なお国内・国際的な政治テーマとしてしばしば浮上する。しかし、例えば2006年の世論調査によれば、東京裁判の内容を「知らない」との回答が少なくなく、特に20歳代では9割をも占めている。日本の歴史上、未曽有の出来事であるこの国際軍事裁判をどのように評価すればよいのだろうか。
東京裁判をめぐっては、従来から、これを肯定的に捉える見方(いわゆる「文明の裁き」論)と、否定的に捉える見方(「勝者の裁き」論)が鋭く対立してきた。本講義では、このような単純な二項対立的な見方を排し、可能な限り事実に即して東京裁判の実態と影響を多面的に把握すべく努める。講義では、関連する最新の研究書や研究論文を輪読し、受講生による報告と議論を行う予定である。
具体的に取り上げる予定のトピックスとして、序論/小説の中の東京裁判/戦争犯罪の概念/戦犯処罰の制度/第2次世界大戦後の戦犯問題をめぐる日本側対応/東京裁判・訴追と免責の政治力学/東京裁判・判決作成過程とその意味/東京裁判判事の法哲学/東京裁判の法的影響/東京裁判評価のバランスシート/戦後処理をめぐる日独比較――などを考えているが、受講生の問題関心にも配慮したい。
評価方法 出席、およびゼミ形式での報告、レジュメ作成能力、プレゼンテーションの内容等で総合的に評価する。必要に応じて、レポートが課される。
教科書等 講義の中で適宜指示する。
担当者プロフィール 専門は日本近現代史。単著に『フィリピンと対日戦犯裁判』(岩波書店、2010年)、『フィリピンBC級戦犯裁判』(講談社選書メチエ、2013年)、共著に『近現代日本の戦争と平和』(現代史料出版、2011年)、『日記に読む近代日本』第5巻(吉川弘文館、2012年)、『平和を考えるための100冊+α』(法律文化社、2014年)、Philippines-Japan Relations (co-authored, Quezon City: Ateneo de Manila University Press, 2003)、共編書に『遠山郁三日誌』(山川出版社、2013年)などがある。
備考