科目名 現代思想Ⅰ
単位数 2.0
担当者 准教授 柿木伸之
履修時期 前期
履修対象 博士前期課程1、2年
概要 「うたう」とはどういうことでしょうか。そして、今「うたう」ことは本当に可能なのでしょうか。主に音楽的表現(歌う)と文学的表現(広義のうたう)の両面で考えられる「うたう」ことは、美的表現であると同時に生そのものをその自由さにおいて顕現させます。しかし、今日「うたう」ことの可能性は、デリダの言い方を借りれば、不可能性の可能性において考えられなければならないことも忘れてはなりません。今年度の「現代思想I」は、「うたう」ことの美学の研究に充てたいと思います。具体的には、そのために重要と考えられるいくつかの論考を検討することにします。テクスト講読の演習のほか、受講者それぞれに各自の問題意識を発表してもらい、それを受講者全員で共有しながら思想的に深化させる場も設けることにしたいと思います。
科目の到達目標 受講者が思想的内容を含んだテクストを、現在の状況とそれが突きつける問題に当てはめながら解読できるようになることがねらいです。
受講要件 みずから考えることに少しでも関心があれば、どなたでも受講を歓迎します。
事前・事後学修の内容 扱われるテクストを自分なりに読んで、問題意識をもって講読演習に臨んでください。また、ディスカッションにも積極的に参加してください。報告を担当する際には、テクストの議論の内容などを受講者で共有できるよう、ベストを尽くしてください。
講義内容 テクストの演習形式の講読と受講者の報告を交えながら進めていきます。受講者と相談のうえで具体的なスケジュールを決めます。
評価方法 演習における報告とディスカッションへの参加を総合して評価します。
教科書等 教科書は使いません。ニーチェの『悲劇の誕生』の一部、ベンヤミンの言語論および近代悲劇論の一部、アドルノの音楽論、武満徹のエッセイなどの講読を考えています。その他参考文献などは、演習のなかで随時紹介します。
担当者プロフィール 研究の専門領域は、近・現代ドイツの哲学と美学。現在はとくに、20世紀前半に思想家として、批評家として、また類いまれなエッセイ
ストとしても活躍したヴァルター・ベンヤミンの哲学的思考に強い関心を持って取り組んでいます。著書に、『ベンヤミンの言語哲学──
翻訳としての言語、想起からの歴史』(平凡社、2014年)、『パット剝ギトッテシマッタ後の世界へ──ヒロシマを想起する思考』(イ
ンパクト出版会、2015年)などがあります。翻訳書に、細川俊夫『細川俊夫 音楽を語る──静寂と音響、影と光』(アルテスパブリッシング、2016年)があります。
備考