科目名 現代社会論Ⅰ
単位数 2.0
担当者 教授 湯浅 正恵
履修時期 前期
履修対象 博士前期課程1、2年
概要 日本社会はどこに向かっているのか。集団的自衛権の容認、武器輸出三原則の見直し、「テロとの戦い」、そして事故収束の見通しすらつかない中での原発再稼働と、日本国憲法に示された理念は建前としてすら意味を失いつつある。それは現政権の暴走なのか。それとも国民の意思なのか。今、政治とは何なのか。本演習では、日本社会の今を考えるためにハンナ・アーレントの『人間の条件』(1958)を精読する。
 アーレントは全体主義とともに原子爆弾の開発と使用を「私たちの時代の根源的経験」とみなし、その「世界疎外」を歴史的に遡って跡づけようとする。科学的記号が政治的な意味を増幅させ、思考も言論も失われた世界で、人間が「技術的知識の救いがたい奴隷」「思考なき被造物」となっていく過程を、私たちは止めることができるのだろうか。アーレントと共に考えてみたい。受講者がレジュメを作成して発表し、それについての解説をしながら授業を進めていく。
科目の到達目標 社会で日々起きる「事件」を、短期的時系列を越え長期的に学際的に思考する重要性を学ぶと同時に、現代社会を分析する新しい視点を獲得する。
受講要件 英語文献も読めること。
事前・事後学修の内容 授業で読む箇所は予め読み参加すること。
講義内容 1. イントロ
2. 第1章 人間の条件
3-4. 第2章 公的領域と私的領域
5-6. 第3章 労働
7-8. 第4章 仕事
9-11.第5章 活動
12-14.第6章 <活動的生活>と近代
15. まとめ
評価方法 平常点(50点)と期末レポート(50点)
教科書等 ハンナ・アーレント『人間の条件』ちくま学芸文庫
担当者プロフィール 広島生まれ。英国シェフィールド大学国際学研究科に学び、グローバル化の中での新しい社会関係についての理論とフィールドワーク両方からのアプローチを試みている。
備考