科目名 情報ネットワーク特論
単位数 2.0
担当者 情報工学専攻 教授 石田 賢治
履修時期 前期
履修対象 1,2年
概要  無線技術の発展や情報端末の小型化により、様々な計算機が遍在する
ユビキタスコンピューティングやIoT(Internet of Things)が現実に
なりつつある。また、新世代ネットワークとして、ネットワークの仮想
化技術が注目されている。そこでは、従来のネットワークアーキテクチ
ャで利用されてきた技術を発展させたり、全く新しいパラダイムを導入
する必要がある。具体的には、ネットワーク資源を物理リソースと論理
リソースに分けて柔軟に管理するネットワーク仮想化技術、従来のIPな
どの識別子に加えてコンテンツに基づくルーティングプロトコル、TCPに
代表されるトランスポートプロトコルの高度化、コンテンツ流通やP2Pネ
ットワークで利用されるアプリケーションプロトコル、等の導入、およ
び、それらの基盤となる制御アルゴリズムを高度化して対応していくこ
とになる。
 これらのユビキタスコンピューティングやIoT(Internet of Things)
を構成する要素技術、および、ネットワークの仮想化技術の基礎となる、
情報ネットワークの数理と最適化に関して、ゼミ形式の講義を行う。先
ず、情報ネットワークを数理的に扱うための基礎概念を導入する。次に、
ネットワークの設計や制御における基本的な最適化問題、および、近年
の情報ネットワークの変化に伴って現れてきた新しい最適化問題やそれ
らに対応するアルゴリズムを紹介する。また、ネットワーク分野の制御
で注目されているBDD(Binary Decision Diagram、二分決定グラフ)と
いうデータ構造とアルゴリズムについてもふれる。さらに、現実のネッ
トワークがもつ様々な性質とそれを説明するネットワーク生成メカニズ
ムを示す。



科目の到達目標 IoT(Internet of Things)を構成する要素技術の基盤となる、情報ネットワークに関する数理的な最新技術概要や動向を理解する。
受講要件 情報ネットワークのアーキテクチャ、ネットワーク制御方式、および、アルゴリズムとデータ構造
の基本的な知識があることを前提とする。
事前・事後学修の内容 ・情報ネットワーク、通信プロトコル、および、アルゴリズムとデータ構造
 の基礎的知識を習得していること。
・事前学修:教科書の該当箇所および配付資料などを事前に熟読しておくこと。また、担当箇所のレジュメを作成すること。
・事後学修:理解を深めるために講義で学んだ内容をまとめておくこと。
講義内容 1. 情報ネットワークを数理的に扱う基礎1
 グラフ理論の基礎
2. 情報ネットワークを数理的に扱う基礎2
 最適化のための基本的な概念
3. さまざまな最適な経路の計算方法1
 最短経路問題と幾つかのアルゴリズム
4. さまざまな最適な経路の計算方法2
 ネットワークフロー問題
5. ネットワークの高信頼化1
 連結度と新規ネットワークの作成
6. ネットワークの高信頼化2
 既設ネットワークの高信頼化方法
 辺付加設計と辺保護・頂点保護設計
7. ネットワークの信頼性とその測定1
 連結状態とBDD(二分決定グラフ)による表現
8. ネットワークの信頼性とその測定2
 確率計算アルゴリズムの利用
9. ネットワークのさまざまな制約条件1
 BDDを用いた最適化の方法
10. ネットワークのさまざまな制約条件2
 制約条件を組み合わせるための論理積アルゴリズム
11. ネットワークの設定ミスの制御1
 ノード設定とBDDによるルールの表現
12. ネットワークの設定ミスの制御2
 ノードを通過させるパケットのBDDによる表現
13. 現実のネットワークの構造1
 現実のネットワークに見られる性質とネットワーク生成モデル
14. 現実のネットワークの構造2
 コミュニティの構造
15. まとめ
評価方法 レジュメ等の準備資料、発表、質疑応答、討論等の内容で総合的に評価する。
秀、優、良、可、不可の基準は、履修案内記載のとおりとする。
教科書等 【教科書】
巳波 弘佳、井上 武、電子情報通信学会(監修)
「情報ネットワークの数理と最適化 - 性能や信頼性を高めるためのデータ構造とアルゴリズム - 」コロナ社 (2015)
また、必要に応じて資料を配布する。
【参考書】
Bruce S. Davie and Larry L. Peterson
「Computer Networks, Fifth Edition: A Systems Approach」MORGAN KAUFMANN (2011)
Andrew S. Tanenbaum and Maarten Van Steen
「Distributed Systems: Principles and Paradigms, Second Edition」Createspace
Independent Publishing Platform (2016)
担当者プロフィール 講義内容などに関する質問および相談は随時受け付けています。研究室を訪ねる場合は講義前後の空き時間や電子メールなどで事前にアポイントメントを取るようにしてください。
プロフィールは以下の通りです。
石田 賢治:主に、ネットワーク制御アルゴリズム、アシュアランスシステムに関する研究に従事。情報工学専攻 情報ネットワーク研究室長。
備考 (情報工学専攻)
【教職】中・高専修(数学)