科目名 システム工学特別講義
単位数 2.0
担当者 非常勤講師 尾本 章(九州大学芸術工学研究院 教授)
中川 誠司(千葉大学フロンティア医工学センタ 教授)
履修時期 前期(集中講義)
履修対象 1、2年生
概要 弦の振動を支配する運動方程式や,音波の伝搬を表す波動方程式は,基本的に同じ形式であり,つまりは同じような解を持つ。これらを体系立てて学び,弾性体の振動において重要な概念である固有周波数や固有モードに関する理解を深める。さらに対象を室内音場に拡張した場合に有効な幾何的な考え方や統計的な考え方,ならびに残響の取り扱い方についても紹介する。 (担当:尾本 章)
従来,ヒトの感覚・知覚・認知に関連する福祉機器の開発や環境設計は,熟練した技術者の経験知に頼っていた.しかしながら,近年の技術の確立によって,感覚・知覚・認知過程を定量的に評価し,可視化することが可能になった.本講義では,ヒトの感覚・知覚・認知過程の評価に不可欠な心理計測および非侵襲的な神経生理手法の基礎について解説する.さらに,ヒトの感覚・知覚・認知機能に係る研究成果を生かした福祉機器の開発や生活環境の最適化の実例を紹介する.
(担当:中川誠司)
科目の到達目標 固有周波数や固有モードに関する理解を深め,室内音響解析に適用できること
ヒトの感覚・知覚・認知過程の基礎メカニズムとその評価手法について理解し,ヒトの感覚・知覚・認知メカニズムの知見に基づく福祉機器の開発や生活環境の最適化の流れを理解していること
受講要件 人間工学,音響システム工学,音響システム特論を履修していることが望ましい
事前・事後学修の内容 人間工学,音響システム工学を復習しておき事が望ましい
講義内容 第1回 音響理論入門(1): 弦の振動の定式化
第2回 音響理論入門(2): 弦の固有振動数と固有モード・強制振動
第3回 音響理論入門(3): 空気中を伝わる音波に関する物理量
第4回 音響理論入門(4): 波動方程式と速度ポテンシャル
第5回 音響理論入門(5): 境界条件と空間の固有周波数,固有モード
第6回 室内音響入門(1): 幾何音響学
第7回 室内音響入門(2): 統計音響学と残響公式
第8回 まとめ:音場の計測・評価・制御に関する最近の研究
第9回 感覚・知覚・認知情報処理の基礎
第10回 感覚・知覚・認知の神経生理基盤
第11回 感覚・知覚・認知過程の心理学的計測 (1):心理物理学的手法
第12回 感覚・知覚・認知過程の心理学的計測(2):尺度構成法
第13回 感覚・知覚・認知過程の神経生理学的計測 (1):EEGとMEG
第14回 感覚・知覚・認知過程の神経生理学的計測 (2):その他の手法
第15回 福祉機器開発,快適で高付加価値な環境設計への応用
評価方法 出席状況と授業中の意見交換,およびレポートを通じて総合的に評価する.
教科書等 資料を配付する
担当者プロフィール プロフィール 尾本 章
1987年九州芸術工科大学芸術工学部音響設計学科卒業。日東紡音響エンジニアリング(現日本音響エンジニアリング)勤務を経て,1991年九州芸術工科大学助手。1997年,同大学助教授。その後大学統合により九州大学芸術工学研究院准教授を経て,現在九州大学教授。博士(工学)。専門は応用音響工学。特に閉空間音場の計測・評価・制御を題材に研究活動を行っている。
プロフィール 中川 誠司
1999年東京大学大学院工学系研究科博士後期課程修了.通商産業省電子技術総合研究所,特定国立研究開発法人産業技術総合研究所,Univ. of Washington を経て,2016年より千葉大学教授.ヒトの感覚・知覚・認知機能の推定と医用工学,福祉工学,人間工学への応用に関する研究に従事.

備考