科目名 数理科学特論A
単位数 2.0
担当者 教授 田中輝雄
履修時期 前期
履修対象 1・2年次
概要 授業形態は講義である.決定論的現象と非決定論的現象の違い,常微分方程式と確率微分方程式の違いを意識させながら,確率微分方程式の基礎,数値計算法,応用について講義する.
確率微分方程式論を展開する際に必要となるブラウン運動の基礎とシミュレーション方法,また,ブラウン運動のシミュレーションや確率微分方程式の数値計算を行う際に必要となる乱数についても解説する.応用としては確率制御問題,最適停止問題等を解説する.
科目の到達目標 ・ブラウン運動の定義,基本的な性質を理解する.
・ブラウン運動のシミュレーション方法を修得する.
・確率微分方程式の解の存在と一意性,伊藤の公式を理解し,簡単な確率微分方程式の解析解の導出方法を修得する.
・確率微分方程式の数値計算法を修得する.
・確率微分方程式の応用を理解する.
受講要件 常微分方程式,数値計算,確率統計に関する基本的な知識があることが望ましい.
事前・事後学修の内容 事前・事後学修のための資料を配付する(課題を課す).
講義内容 第1回:測度論的確率論,確率過程
第2回:乱数,検定
第3回:ブラウン運動の定義と構成法
第4回:ブラウン運動のシミュレーション
第5回:確率微分方程式
第6回:確率積分の定義と性質
第7回:確率積分のシミュレーション
第8回:確率微分方程式の解
第9回:伊藤の公式
第10回:確率微分方程式の数値解法(オイラー・丸山スキーム)
第11回:確率微分方程式の数値解法(ミルシュテインスキーム)
第12回:確率微分方程式の数値解法(ルンゲ・クッタスキーム)
第13回:確率制御問題と偏微分方程式
第14回:数理ファイナンス
第15回:最適停止問題
評価方法 レポートの内容で評価する.
教科書等 教科書:特になし.第1回目に資料を配付する. 

参考書:
【確率論,確率微分方程式】
・楠岡成雄, 数学の未解決問題 21世紀に向けて 12,ランダムネス, 数理科学 8月号,pp.53-58,サイエン社,2000
・志賀徳造,ルベーグ積分から確率論,共立出版,2000
・長井英生,確率微分方程式,共立出版,1999

【数値計算法】
・小川重義,確率微分方程式の数値解法,数学,53(1),pp.34-45,岩波書店,2001
・金川秀也,小川重義,確率微分方程式の数値解法 2-応用編,数学,53(2), pp.125-138,岩波書店,2001
・三井斌友, 小藤俊幸, 斉藤善弘, 微分方程式による計算科学入門, 共立出版, 2004
・四辻哲章,計算機シミュレーションのための確率分布乱数生成法,プレアデス出版,2010
・S.M.Iacus, Simulation and inference for stochastic differential equations, Springer, 2008
・P.E.Kloeden and E.Platen, Numerical solution of stochastic differential equations, Springer, 2010
・P.E.Kloeden, E.Platen and H.Schurz, Numerical solution of SDE throught computer experiments, Springer, 2003

【数理ファイナンス】 
・S.E.Shreve 著, 長山いづみ 他訳,ファイナンスのための確率解析Ⅰ,丸善出版,2012
・S.E.Shreve 著, 長山いづみ 他訳,ファイナンスのための確率解析Ⅱ,丸善出版,2012 
・関根順, 数理ファイナンス, 培風館,2007
・T.Mikosch, Elementary stochastic calculus with finance in view, World Scientific,1992
担当者プロフィール 所属学会:
日本数学会(統計数学分科会),日本オペレーションズ・リサーチ学会,Institute of Mathematical Statistics,
Bernoulli Society for Mathematical Statistics and Probability,Mathematical Optimization Society,
INFORMS(Applied Probability Society)

学習指導・支援体制:
授業内容や課題などに関する学生の個別学習相談を,随時受け付けます.授業や会議あるいは出張などで不在のことがあるので,メールで面会の予約してください.
備考 【教職】中・高専修(数学)