科目名 西洋美術史特講
単位数 2.0
担当者 非常勤講師 谷藤 史彦
履修時期 通年
履修対象 1・2年次
概要 前期は、ルネサンスやバロック、印象主義、ジャポニスムなど15世紀から19世紀にかけての西洋美術の発展と変化を、その背後の思想などから深く探っていく。後期は、フォービスムや未来主義から、抽象表現主義、ポップアートまでの20世紀美術の諸問題を、現代文化・思想の状況分析とともに考察していく。また、各時代の特徴的作品を各1点鑑賞し、批評的な文章作成と議論を行ない鑑賞の感性を磨いていく。
【授業形態:講義】
科目の到達目標 美術史とそれに付随する思想的背景の探求を通じて、独自の批評眼で作品鑑賞できる能力を身に付ける。
受講要件 特にない。
事前・事後学修の内容 ① 【前期】事前学修として、以下の文献に目を通す。
高階秀爾『ルネッサンスの光と闇 芸術と精神風土』中公文庫
『ペルジーノ展』図録、アートプランニングレイ、2007年
ハインリヒ・ヴェルフリン『美術史の基礎概念』慶応義塾大学出版、2000年
『印象派と光の表現 モネ、ルノワールから現代へ』ふくやま美術館、2000年
田中雅夫 『写真130年史』ダヴィッド社 1984
『表現としての写真 150年の歴史』セゾン美術館 1990
『フランス絵画と浮世絵―東西文化の架け橋 林忠正の眼―展 』高岡市美術館、茨城県立近代美術館、ふくやま美術館 1996年
『研究図録 評伝 武田五一』ふくやま美術館 2016年
② 【後期】事前学修として、以下の文献に目を通す。
『20世紀の日本と西洋 -マンズーから劉生までのコレクションの軌跡-』ふくやま美術館、2008年
『未来派1909-1944』セゾン美術館、1992年
『デ・キリコ展 : 1920−1950』日本アドヴェイザー、1993年
『アルベルト・ジャコメッティ展』東京新聞 2006年
『イタリア抽象絵画の巨匠:アフロ ブッリ フォンタナ』ふくやま美術館、2002年
クレメント・グリーンバーグ『グリーンバーグ批評選集』勁草書房、2005年
ハル・フォスター編『反美学 ポストモダンの諸相』勁草書房、1987年
③ 事後学修として、配布されたプリントをノートに整理する。
講義内容 【前期】
1 ルネサンス作品鑑賞(キリスト教絵画、歴史画)
2 新プラトン主義とルネサンス(フィチーノとピコ・デッラ・ミランドラ)
3 ルネサンス作品鑑賞(幻想画、肖像画、透視図法)
4 ペルジーノとラファエッロ(サヴォナローラと終末観、甘美な聖母子像、ペルジーノ様式の超克)
5 バロック作品鑑賞(風俗画、宗教画、光と影)
6 ヴェルフリンのバロック論(フォーマリズムの五対の概念)
7 バロック-ポスト印象主義作品鑑賞(風景画、幻想的風景、幾何学的形態)
8 光の表現-ルネサンスからポスト印象主義(キアロスクーロ、光の強調、自然の光、点描、色面)
9 写真作品鑑賞(決定的瞬間、報道写真、風俗写真)
10 写真の誕生と発展(写真術の発明、19世紀の肖像写真、記録写真、動体写真、ピクトリアリズム、モダニズム)
11 ジャポニスム作品鑑賞(シノワズリー、浮世絵的構図、日本趣味)
12 ジャポニスムと林忠正(ゴッホ、ゴンクール、ビング、ホイッスラー、ブラックモン、パリ万博)
13 アール・ヌーヴォー作品鑑賞(装飾性、日本的モチーフ、日本工芸の影響)
14 アール・ヌーヴォーと武田五一(アーツ・アンド・クラフツ運動、マッキントッシュ、ウィーン分離派、アール・ヌーヴォー)
15 15世紀から19世紀にかけての西洋美術の発展と変化(まとめ)
【後期】
1 フォービスム、キュビスム作品鑑賞(色彩、形態、構成)
2 ヴェントゥーリの20世紀美術論(印象主義、セザンヌ、20世紀の美しさ)
3 未来派作品鑑賞(ダイナミズム、動き)
4 未来派とバッラ、ボッチョーニ(造形思考、速度の線、虹の相互浸透、造形複合体)
5 形而上絵画、シュルレアリスム作品鑑賞(静物、フロッタージュ、オートマティズム)
6 デ・キリコとブルトンのシュルレアリスム(フロイト流解釈、夢、神託、預言者、啓示、望郷)
7 ジャコメッティ作品鑑賞(物語性、象徴性、肖像)
8 ジャコメッティの精神性(神のまなざし、神の分身、虚空の自覚、視覚の現象学的還元、究極のヴィジョン)
9 空間主義、アンフォルメル作品鑑賞(プリミティヴ、穴、アクション)
10 空間主義とフォンタナ(イリュージョン、建築的空間、未来派の影響、空間概念、平面性)
11 抽象表現主義作品鑑賞(具象と抽象、色面)
12 抽象表現主義とグリンバーグ(絵画的なもの、開放性、コンセプション、構想)
13 ポップアート作品鑑賞(反復、マリリン・モンロー、シニカル)
14 ポストモダニズム、ポップアート、消費社会(高級モダニズムへの反発、パスティシュ、パロディ、ノスタルジア映画、消費型資本主義)
15 20世紀美術の諸問題(まとめ)
評価方法 授業内容に沿った期末試験を主体として、授業での発言などを加味して評価点を決める。授業の要点を自分の言葉でつかみ、独自の批評眼で作品鑑賞できる能力を到達目標とする。
教科書等 とくに定めない。毎回、資料を渡します。
担当者プロフィール 京都大学博士(人間・環境学)。西洋美術史、日本近代美術史、近代建築史。
備考