科目名 韓国・北朝鮮外交と核問題
単位数 2.0
担当者 孫賢鎮(ソンヒョンジン)広島平和研究所准教授
履修時期 前期
履修対象 博士前期課程1・2年
講義形態 講義
講義の目的 本講義は、平和研究科におけるグローバル/リージョナル・ガヴァナンスにとって地域と平和科目である。現在の朝鮮半島は朝鮮戦争(1950.6.25?1953.7.27)の結果、韓国と北朝鮮に分断され、依然として政治、軍事、経済等、あらゆる分野において激しい体制競争が行われている。朝鮮半島は停戦協定によって休戦状態で在韓米軍が駐屯しており、未だ緊張状態が続いている。また、北朝鮮の核・ミサイル問題は地域の安全保障のみならず、世界の平和にとっても大きな問題になっている。このような朝鮮半島の分断過程と、対立・競争関係にある韓国と北朝鮮の政治体制及び外交関係を学ぶことにより、現在の朝鮮半島の状況を理解する。本講義では北朝鮮ガヴァナンスの理解、朝鮮半島の統合と統一問題(統一の必要性、類型、費用など)、社会主義国家の統一の具体的な事例をとりあげて考察する。そして、安全保障上の脅威である北朝鮮の核問題について北朝鮮の核開発の背景、意図等を分析することにより、北朝鮮の核問題の解決を含む朝鮮半島の非核化を考える。
到達目標 韓国と北朝鮮間の相互関係、北朝鮮の核兵器問題を学ぶことによって朝鮮半島をめぐる国際関係を理解し、そして北朝鮮の核問題や朝鮮半島の平和構築のためには何か必要かを考察できるようになることを目的とする。
ー韓国と北朝鮮の政治体制・相互関係について説明できる。
ー北朝鮮の核兵器問題を考察することによって非核化プロセスについて説明できる。
受講要件 特になし
履修取消の可否
履修取消不可の理由
事前・事後学修 講義で提示する参考文献・資料(日本語・英語、受講生の関心によっては韓国語)を読み、自分の考えをまとめる。(学修時間:週60分)
授業で取り組んだテーマに関する提出課題を完成させる。(学修時間:週120分)
講義内容 講義内容は以下を予定している。受講者の関心によっては内容を変更する可能性あり。
第1回 ガイダンス(朝鮮半島の理解)
第2回 朝鮮半島の事情T(朝鮮戦争以前の朝鮮半島)
第3回 朝鮮半島の事情U(朝鮮戦争以降の朝鮮半島)
第4回 韓国・北朝鮮関係(植民地時代?朝鮮戦争)
第5回 北朝鮮のガヴァナンス(北朝鮮の政治体制の特徴など)
第6回 北朝鮮の人権問題(人道的問題、脱北者問題など)
第7回 北朝鮮の核開発問題T(核開発の歴史、背景、意図など)
第8回 北朝鮮の核開発問題U(北朝鮮の核能力)
第9回 北朝鮮の非核化(米朝、南(韓国)北(北朝鮮)首脳会談、米朝交渉など)
第10回 北朝鮮の非核化プロセス(非核化の概念、範囲、完成)
第11回 朝鮮半島をめぐる安全保障問題(韓米同盟、日米同盟など)
第12回 朝鮮半島の統一問題(統一の必要性、他の事例など)
第13回 社会主義国家の統一事例
第14回 北東アジアにおける安全保障共同体構築の可能性
第15回 受講者の報告
期末試験実施の有無 実施しない
評価方法・基準 口頭発表40%、レポート30%、授業への積極的参加度30%
教科書等 教科書:広島市立大学広島平和研究所編『アジアの平和と核』、Yangmo Ku,Inyeop Lee and Jongseok Woo, 『Politics in North and South Korea』、Gregory J. Moore『North Korean Nuclear Operationality』、Tae-Hwan Kwan and Seung-Ho Joo 『North Korea and Security Cooperation in Northeast Asia』その他、授業で扱うテキスト・参考文献など指定する。
担当者プロフィール 国際法専攻、北朝鮮の核開発、人権問題を主なテーマとしている。
2001-2006 神戸大学大学院法学研究科修了(博士、国際公共関係法)
2006-2011 韓国統一部で勤務(事務官)
2011-2014 韓国法制研究院(北朝鮮法制、朝鮮半島統一法制)
2014.4から 広島市立大学広島平和研究所准教授
研究室:広島平和研究所 402号室
講義に関連する実務経験 韓国統一部事務官(北朝鮮の人権問題、脱北者、拉致問題など担当)
課題や試験に対するフィードバック 課題やレポートの内容については授業やWebClass上で回答・評価する。
アクティブ・ラーニング
キーワード 朝鮮半島、国際関係、北朝鮮の核、非核化
備考