科目名 | 地域機構と平和・安全保障 | ||
単位数 | 2.0 | ||
担当者 | 加藤美保子 | ||
履修時期 | 後期 | ||
履修対象 | 修士課程1・2年 | ||
講義形態 | 講義 | ||
講義の目的 | 本講義では、国家(ロシア)がその対外的目的や国益を達成するために、様々な国際機構をいかに活用してきたのか(しているのか)という観点から地域機構の概要や問題点について学んでいく。初回はオリエンテーションです。Week 1?Week 6は、冷戦後から現在までの時期を中心に、旧ソ連空間の再統合に向かうロシアについて、CISの意義と実態を中心に説明していく。受講生には前半の内容に関する日本語論文(授業中に指定します)を読んで短いレポートを作成してもらい、Week 7, 8で報告してもらう。Week 9?Week 15は、中央アジア諸国と域外アクターとの地域協力の事例として、上海協力機構、ユーラシア経済連合、一帯一路イニシアティヴなどを事例に、その実態、可能性、問題点について様々な角度から考察する。授業終了後に、指定する課題に関する最終レポートを提出してもらいます。 | ||
到達目標 | 旧ソ連空間における対立と共存の構造を、CISの軌跡と実態を通して学び、また旧ソ連空間の一部である中央アジア、ロシアと中国の境界地域の信頼醸成措置としての背景をもつ上海協力機構の成立、安全保障分野の協力実態、隣接地域(南アジア、東南アジア)との協力拡大についての基礎的知識を身につける。 | ||
受講要件 | 特になし | ||
履修取消の可否 | 可 | ||
履修取消不可の理由 | |||
事前・事後学修 | 各回のテキストの指定範囲をよく読んで内容や不明な点を授業で確認できるよう、予習に力を入れてください。 | ||
講義内容 |
1. オリエンテーション ソ連崩壊とCISの形成 2. 旧ソ連空間のロシア人問題 3. 中央ユーラシアの基礎知識 4. 旧ソ連経済空間の解体と再統合への動き 5. CISと安全保障分野の協力:集団安全保障条約 6. CIS域内の安全保障問題と米欧 7. 中間レポート発表 8. 中間レポート発表 9. 上海協力機構(SCO)の起源 10. SCOの制度的特徴 11. SCOと中国 12. SCOとASEAN 13. ユーラシア経済連合と一帯一路 14. 中央アジア諸国と地域主義 15. ウクライナ戦争と中央ユーラシア |
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期末試験実施の有無 | 実施しない | ||
評価方法・基準 |
・中間レポートの内容と発表 ・ディスカッションへの貢献度 ・最終レポート。 |
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教科書等 |
Tsygankov, A.P. ed. (2018) Routledge Handbook of Russian Foreign Policy (Abingdon: Routledge). 田畑伸一郎・末澤恵美編『CIS:旧ソ連空間の再構成』国際書院、2004年。 湯浅剛『現代中央アジアの国際政治:ロシア・米欧・中国の介入と新独立国の自立』明石書店、2015年。 |
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担当者プロフィール | 専門は1980年代以降のソ連・ロシアの外交・国際関係です。最近は、2000年代以降のロシアと旧ソ連友好国(中国、インド、ベトナム、北朝鮮、等)の関係回復と、それらがアメリカ主導の既存の秩序にどのようなインパクトを及ぼしていくのかという点に関心を持っています。 | ||
講義に関連する実務経験 | |||
課題や試験に対するフィードバック |
プレゼンテーションに対する、授業中のコメント、アドバイス。 最終レポートについては、各受講生の求めに応じて、必要な支援とアドバイスを行う。 |
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アクティブ・ラーニング |
プレゼンテーション、ディスカッション |
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キーワード | 地域機構、多国間主義、旧ソ連空間、独立国家共同体(CIS)、上海協力機構(SCO) | ||
備考 |