科目名 | 人間論A(人文・社会科学) | ||
単位数 | 2.0 | ||
担当者 | 上尾真道 | ||
履修時期 | 前期 | ||
履修対象 | 博士前期課程 | ||
講義形態 | 講義 | ||
講義の目的 | この授業では「ポストヒューマニズム」をキーワードに、これまで近現代ヨーロッパの哲学・思想が展開してきた「人間」をめぐる言説に対する批判的な検討を行う。特に、近代的「人間」概念を批判的に論じてきた流れとして、フランス現代思想、フェミニズム、現代人類学などの議論に触れつつ、「人間」の隣接領域ーー動物、植物、機械、人工知能などーーの意義について考察する。またそうしたアイデアが現在、哲学・思想だけでなく、現代アートにもどのような着想を与えているかについても触れたい。 | ||
到達目標 |
・現代における「ヒューマニズム」・「ポストヒューマニズム」の議論の文脈について説明することができる。 ・「ポストヒューマニズム」をめぐる議論を踏まえて、現代の「人間」について考察し、その見解を説得的な仕方で論じることができる。 |
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受講要件 | 特になし | ||
履修取消の可否 | 可 | ||
履修取消不可の理由 | |||
事前・事後学修 | 授業で紹介した文献・作品などについては、授業後に自分で積極的に調査すること。 | ||
講義内容 |
授業の前半では、現代の「人間」を語るのに欠かせない「ポストヒューマニズム」論の文脈の整理を、各領域の文献を紹介しつつ実施する。 授業の後半では、受講者のそれぞれが、いくつかの課題図書の読解に取り組み、その読解をもとに自分自身の関心に基づいた考察を発展させて、その内容に関する研究発表を行う。またその場でのディスカッションを通じて、現代の「人間」をめぐる考察を深める。 第一部:「人間」の限界を探る 1 イントロダクション:「人間」のリミット 2 近代の人間科学:カントとフーコー 3 動物と技術:ハイデガーとヒューマニズム 4 人間の終わりと超人:ニーチェ 5 「非人間」の思想:ドゥルーズ、リオタール 6 サイボーグ主義とフェミニズム 7 人類学の存在論的転回:ヴィヴェイロス・デ・カストロ 8 思弁的実在論の挑戦:メイヤスー 9 前半のまとめ:機械・動物・人間 第二部:現代におけるポストヒューマニズム 10 哲学とポストヒューマニズム 11 人類学とポストヒューマニズム 12 女性学とポストヒューマニズム 13 テクノロジーとポストヒューマニズム 14 芸術とポストヒューマニズム 15 まとめ |
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期末試験実施の有無 | 実施しない | ||
評価方法・基準 |
授業での質問・発言:50% 研究発表:50% |
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教科書等 | 教科書は特になし。参考文献としてR.ブライドッティ『ポストヒューマン』(2019)、G.ハーマン『思弁的実在論入門』(2020)、岡本裕一郎『ポストヒューマニズム:テクノロジー時代の哲学入門』(2021)。そのほかの文献については、授業内で適宜、指示する。 | ||
担当者プロフィール | 精神分析家ジャック・ラカンの思想を中心にフランス哲学・現代思想を研究しています。 | ||
講義に関連する実務経験 | |||
課題や試験に対するフィードバック | 授業内でその都度、講評を行う。 | ||
アクティブ・ラーニング | グループ・ディスカッション、プレゼンテーション | ||
キーワード | ポストヒューマニズム、フランス現代思想・哲学、人類学、フェミニズム、精神分析、芸術、AI、思弁的実在論 | ||
備考 |