科目名 比較文化論T
単位数 2.0
担当者 教授 田川 玄
履修時期 前期
履修対象 2年
講義形態 講義
講義の目的 この授業では、主として文化人類学の立場から「家族・親族」について学習します。「家族・親族」は人類に共通してみられる関係ですが、その姿は社会によって実に多様です。まさに文化人類学の格好のテーマといえましょう。この授業では、文化人類学だけでなく歴史研究や社会学の知見もふまえて、「家族・親族」の理論と民族誌的な事例から、自明としてきた家族を捉え直します。
到達目標 主として文化人類学や社会学の観点から家族・親族について理解し説明できるようになることを到達目標とします。(思考力・判断力・表現力)
受講要件 特にありません。ただし、「文化人類学」を受講すると授業内容を理解しやすくなります。また、「比較文化論U」もあわせて受講するとよいでしょう。
履修取消の可否
履修取消不可の理由
事前・事後学修 授業で紹介する参考書や配布する資料を読むことが事前・事後学習となります。
講義内容 主な授業内容は次の通りです(順番と内容を変更する可能性があります)。

1)イントロダクション
2)わたしたちの身の回りで「家族」はどのように表象されているのか
3)家族についての映像資料の視聴
4)「核家族」は普遍的か?
5)西欧の近代家族
6)日本における近代家族:明治期から昭和初期
7)日本における近代家族:戦後
8)人類学の家族・親族の理論:機能主義
9)人類学の家族・親族の理論:構造主義
10)家族・親族の民族誌:エチオピアのボラナ社会
11)家族・親族の民族誌:その他の民族
12)新生殖技術 ビデオ上映 インド
13)新生殖技術 イスラエルなど
14)国際養子
15)課題の作成
期末試験実施の有無 実施しない
評価方法・基準 授業後のリアクションペーパーと小課題:40%
最終課題:60%
詳細は初回の授業でお話しします。
教科書等 重要な参考書は次の通りです。
参考書:ジンジルト・梅屋潔 編2017年『新版 文化人類学のレッスン フィールドからの出発』学陽書房
担当者プロフィール 南部エチオピアの牧畜民ボラナで20年以上調査しています。この20年でうらぶれた小さな田舎町が行政都市となり、今や終日電気が通じています。昔はトラックの荷台に乗って移動していましたが、乗り合いバスが走るようになりました。そして、女性の首飾りはくすんだ色のアルミから色鮮やかなビーズになりました。少女たちは町に売りに行くミルクの量を増やして、小金を稼ぐことを覚えました。お金をためて綺麗な服とビーズの装身具を買います。さて、少女たちはミルクの量はどのように増やしているのでしょうか?
講義に関連する実務経験
課題や試験に対するフィードバック 課題とリアクションペーパーについて授業で講評や質問への回答を行う。
アクティブ・ラーニング
キーワード 家族、親族、文化人類学
備考