科目名 エスニシティと宗教T
単位数 2.0
担当者 准教授 田浪亜央江
履修時期 後期
履修対象 2年次
講義形態 講義
講義の目的 エスニシティとは言語や慣習、伝統、宗教など、文化的特性を有していると信じられている集団におけるアイデンティティや所属意識、歴史を共有する意識のことです。本講義では「宗教」、とくに中東に起源を有する一神教を中心に、イスラーム社会とキリスト教コミュニティの関係における諸問題(統合と排除、多文化主義、国家と宗教、アイデンティティなど)を取り上げています。本年度は北米における奴隷制度とキリスト教の関係、黒人(アフロ・アメリカン)解放運動における宗教(キリスト教・イスラーム)の役割に焦点を当てたあと、南アフリカのアパルトヘイト体制への宗教の加担や、両社会における解放の思想を比較しながら学んでゆきます。
到達目標 ケーススタディを通してエスニシティに関わる主要な議論に触れ、エスニシティを切り口に現代世界の諸問題を扱うためのリテラシーを養う。(知識・技能、思考力)
受講要件 特になし。
履修取消の可否
履修取消不可の理由
事前・事後学修 随時配布する資料や記事を各自読んで学習を深めるほか、少しでも興味を持ったら自分で調べるクセをつけて下さい。
講義内容 1  授業ガイダンス・イントロダクション 「エスニシティ」「宗教」について 
2 「奴隷解放」と隔離政策
3 キリスト教と初期の黒人解放思想
4 バス・ボイコット運動とマーティン・ルーサー・キング
5  マーティン・ルーサー・キングの思想と運動
6 マルコムXの軌跡@ NOIとマルコムX
7 マルコムXの軌跡A イスラームとマルコムX
8 マルコムXの思想的影響と汎アフリカ思想
9  公民権運動後のアフロ・アメリカンの状況
10 アパルトヘイトとキリスト教
11 アパルトヘイトと黒人意識運動
12 ネルソン・マンデラの軌跡
13  南アフリカの脱植民地化
14  まとめ:アフロ・アメリカンの解放運動と宗教
15 授業内課題論文作成
期末試験実施の有無 実施しない
評価方法・基準 平常点(リアクションペーパーまたはミニレポート、および出席状況)40%、課題論文の提出 60%
教科書等 教科書は使用しません。授業で用いるパワーポイントの内容を一部ハンドアウトとして配布。
担当者プロフィール 大学在学中にシリア・ダマスカス大学留学。大学院在学中にパレスチナ留学。
講義に関連する実務経験 2006年4月〜2009年3月 独立行政法人国際交流基金(中東における学術交流事業に従事)、2009年4月〜2013年3月 外務省語学研修所(アラビア語指導)
課題や試験に対するフィードバック コメントシートのなかの質問事項について、適宜補足・説明します。
アクティブ・ラーニング 履修者数や関心の程度をみて、必要性や導入の可否を判断します。
キーワード 奴隷制度 人種隔離 キリスト教 キング牧師 マルコムX イスラーム アパルトヘイト マンデラ
備考 明らかに授業を聞かずに記入したリアクションペーパーは無効とするので、そのつもりで臨んで下さい。