科目名 労働と社会
単位数 2.0
担当者 国際学部 湯浅正恵
履修時期 後期
履修対象 2年
講義形態 講義
講義の目的 みなさんは「労働」と聞いてどのようなイメージをもつでしょうか。大学を卒業してみなさんの多くが働くことになるでしょうし、既にアルバイトで働くことを体験した人も多いでしょう。労働とは苦しみ?義務?権利?生きがい?夢?人によってそのイメージも意味も様々かもしれません。この講義では、人間が生きるうえで「労働」がどのような意味をもつのか、異なる社会、異なる時代における働くことを比べながら考えていきます。現代日本社会における労働とは異なる仕事や活動を学び、社会と労働のあり方を、自らの人生の問題として具体的に考える契機とします。
到達目標
働くことを、自らの人生、人とのつながり、社会、歴史、世界という大きな視点から考えます。学際的知 (知識)により批判的視点を涵養し(技術)、現代日本社会で生きるための思考力を養います。
受講要件 「社会学」と合わせて受講することにより、理解はより一層深まります。
履修取消の可否
履修取消不可の理由
事前・事後学修 翌週の授業の準備として課題を出すことが数回ありますが、主には授業の復習となるような事後課題を出します。
講義内容
1. イントロダクション:いのちをつなぐ働くこと
2. 現代日本の労働: なんのために働くか
3. 現代日本の労働: 女性が働く
4. 現代日本の労働: 若者が働く 
5. 現代日本の労働: 命を脅かす労働
5. 現代日本の労働: 若者と組合
6. 前近代の労働
7. 労働・仕事・活動の区分について
8. 近代の労働:自由主義と社会主義の「真の労働」
9. 近代の労働: ユートピアの非現実性
10. 近代の労働の問題:福祉国家と二重社会
11.日本人がはたらく:前近代
12.日本人がはたらく:近代
13. 働く喜びについて
14. 現代の様々な仕事と活動
15. まとめ
期末試験実施の有無 実施する
評価方法・基準 事前事後課題(50%)と期末テスト(50%)。
教科書等 参考書 
ハンナ・アレント 『人間の条件』、筑摩書房、1994年
ドミニク・メーダ 『労働者会の終焉』、法政大学出版会、2000年
デヴィッド・グレーバー 『ブルシット・ジョブークソどうでもいい仕事の理論』、岩波書店、2020年
宮本常一 『生業の歴史』 、未来社、 2004年
浜村彰ほか『ベーシック労働法』、有斐閣アルマ、2019年
塩野米松 『失われた手仕事の思想』 中公文庫
今野晴貴 『マジで使える労働法ー賢く働くためのサバイバル術』、イースト・プレス 、2009年
伊藤洋志 『ナリワイをつくるー人生を盗まれない働き方』、東京書籍、 2012年
担当者プロフィール ずっと働くこととについて悩んできました。
やっと最近ふっきれた気がしています。そうすると、能動性と共同性を兼ね備えた働くことの喜び、そうした小さな「ユートピア」があちこちに見えてきました。研究室は国際学部棟7階の730号室です。
講義に関連する実務経験
課題や試験に対するフィードバック 授業で出した課題は、翌週の授業のはじめに、みなさんの回答を紹介しながらコメントをします。期末試験は終了直後に解説をします。また期末レポートとした場合は、webclassによりフィードバックを行います。
アクティブ・ラーニング 受講人数、またコロナの感染状況にもよりますが、小グループでのディスカッションを取り入れたいと思います。振り返りも行います。
キーワード 労働、仕事、活動、近代、生活、人生
備考