科目名 | 共生の哲学U | ||
単位数 | 2.0 | ||
担当者 | 上尾真道 | ||
履修時期 | 後期 | ||
履修対象 | 2年次以上 | ||
講義形態 | 講義 | ||
講義の目的 | 歴史を振り返れば、共生という課題は、これまでの多くの障害に突き当たってきた。特に近代社会は、異質なものの排除・隔離の実践を孕みながら発展してきた。本講義を受講する学生は、こうした近代的隔離の歴史的事例について、フランスの哲学者ミシェル・フーコーによる精神医療史の分野での批判的研究を参照しながら学ぶ。さらにその上で、セクシュアリティや障害など、多様性の尊重と関わる現代的な論点について知識を獲得しながら、こんにちの共生の実現のための課題を整理し、検討する。 | ||
到達目標 |
・近代の精神医療の歴史について大きな流れを説明することができる(知識・技能) ・多様性をめぐる現代の論点について説明し、自分の考察を述べることができる(思考力・表現力) |
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受講要件 | 共生の哲学Iから引き続き受講することが望ましい。 | ||
履修取消の可否 | 可 | ||
履修取消不可の理由 | |||
事前・事後学修 | 授業で紹介した文献・作品などについては、授業後に自分で積極的に調べてください。また授業前には前回の内容について復習を行ってください。 | ||
講義内容 |
授業の前半は、フーコー哲学を参照しながら、近代精神医療史における排除・隔離の事例を検討します。後半は20世紀半ば以降の多様性の問題を取り上げます。 1 導入――共生の障害・近代の隔離 2 精神病院と治療的監禁 3 司法精神医学と強制入院 4 公共性と法 5 「変質」の概念 6 「生きるに値しない命」という問題 7 人種主義と強制収容所 8 植民地主義下の人種主義 9 ナショナリズムの葛藤 10 セトラーコロニアリズムと現代 11 アパルトヘイトと抵抗運動 12 「生権力」の現代 13 規律と主体形成 14 統治と新人種主義 15 まとめ――マジョリティとマイノリティ |
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期末試験実施の有無 | 実施しない | ||
評価方法・基準 |
授業内のミニレポート:50% 最終レポート:50% |
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教科書等 | 特になし | ||
担当者プロフィール |
精神分析家ジャック・ラカンの思想を中心にフランス哲学・現代思想を研究しています。 |
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講義に関連する実務経験 | |||
課題や試験に対するフィードバック | 授業のなかで、課題について講評を実施します。 | ||
アクティブ・ラーニング | |||
キーワード | 隔離、狂気、フーコー、精神医学、優生学、人種主義、植民地主義、生権力 | ||
備考 |