科目名 | 日本社会と人権 | ||
単位数 | 2.0 | ||
担当者 | 教授 太田 育子 | ||
履修時期 | 後期 | ||
履修対象 | 3年 | ||
講義形態 | 講義 | ||
講義の目的 |
オックスフォード大学出版会のVery Short Introductionsシリーズの英文テキストAndrew Clapham, Human Rights (2nd ed., Oxford U.P., 2015)からの抜粋資料(配布)を講読しながら英文で国際人権保障の今日的意義を概観し、食糧・教育・健康・住居・就業への権利といった社会権の主張が、現代日本社会のさまざまな文脈でどのように取り扱われているかを検討する。 また、ドキュメンタリー番組や新聞記事などを通して、幅広い見識を主体的に身につけながら、他の受講生の意見も踏まえて、日本社会における人権の展望について判断し表現する。 |
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到達目標 |
(1) 国際人権基準の基本概念に照らして、日本社会における人権問題を理解することができる[DP: 知識]。 (2) 現実(日本社会に生起する事象)と法とのかかわりを理解することによって、各自の実現したい価値と人権規範・制度がどのような関係にあるか主体的に考え、グループで表現することができる[DP: 思考力・判断力・表現力][DP: 主体性・協調性] |
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受講要件 |
*重要* どの時代どの国家でも「権力は腐敗する、絶対権力は絶対的に腐敗する」("Power tends to corrupt, and absolute power corrupts absolutely.“)は歴史的な真理で、それゆえ立憲主義(憲法によって国家権力を制限し、法や基本的人権に基づいた政治を実行しようとする考え方)に立ち、 常に権力に関心を向け続けることが、われわれの安全と幸福に直結します。 17世紀から18世紀にかけて、啓蒙思想家のロックやモンテスキューらにより理論化された近代民主政治の原理が「三権分立」です。国家権力を立法・行政・司法のそれぞれ独立した機関に担当させ、相互に抑制・均衡を図ることによって権力の濫用を防止し、専制政治を防ぐ原理であり、立憲主義の理念に基づく日本国憲法にも取り入れられています。 日本国憲法の下にある本学の法学系科目も、立憲主義や三権分立を授業内容の基盤としています。特にこの科目では、様々な解説や意見を冷静に受けとめ、どの国の立法府・司法府・行政府の行動も客観的に理解して、自分の外側の権威を代弁するのではなく、自分の内側で考えた意見を表明しようとすることが受講要件となります。 なお、「法学(日本国憲法)」や「平和と人権」を受講しておくと、理解がより深まるでしょう。 |
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履修取消の可否 | 可 | ||
履修取消不可の理由 | |||
事前・事後学修 |
講義で取り扱う項目に関連のメディア報道を視聴したり、新聞記事等を探し閲覧しましょう。 日本社会への理解を拡げ深めるために、関連するメディア報道を視聴したり、新聞記事等を読んでみましょう。また、WebClass-TimeLineへの他の受講生のコメントを読みながら、日本社会における人権の進展についても各自で予測を立て、グループプレゼンに備えましょう。 |
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講義内容 |
*重要* 以下のシラバス情報は、情勢の変化に伴い、みなさんと相談しながら随時変更されます。詳細はWebClassでご確認ください。 第1回 オリエンテーション:国際人権基準とはなにか 第2回 オリエンテーション:日本社会で国際人権基準をどう使うか 第3回 日本社会と人権:「教科書第1章」関連動画視聴+オンデマンド反転学習(平常点対象) 第4回 Human Rights講読(Preface / Final remarks-1) 第5回 日本社会と人権:「教科書第2章」関連動画視聴+オンデマンド反転学習(平常点対象) 第6回 Human Rights購読:(Final remarks-2 / Ch.7: Food & education) 第7回 Human Rights講読:(Ch.7: Health,Housing & work) 第8回 GP: 教科書「第3章」選択項目 第9回 GP: 教科書「第4章」選択項目(1) 第10回 GP: 教科書「第4章」選択項目(2) 第11回 GP: 教科書「第5章」選択項目(1) 第12回 GP: 教科書「第5章」選択項目(2) 第13回 GP: 教科書「第6章」選択項目(1) 第14回 GP: 教科書「第6章」選択項目(2) 第15回 GP: 教科書「第7章」選択項目+全体フィードバック・授業アンケート |
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期末試験実施の有無 | 実施しない | ||
評価方法・基準 |
平常点: 反転学習時のWC動画視聴を踏まえてのWC-TimeLineへのコメントおよびプレゼングループへのコメント(60%)。 グループプレゼンテーション: 教科書から関心あるトピックを選んでのグループプレゼンおよびクラスからの質疑への応答(40%)。 |
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教科書等 |
教科書:藤田早苗『武器としての国際人権 日本の貧困・報道・差別』(集英社新書、2022年) 参考書:授業中に適宜指示します。 |
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担当者プロフィール |
国際法・国際人権法専攻、法学博士(Stanford Univ.). 研究室:国際学部棟6階・637研究室 連絡方法:WebClassメッセージ機能を利用してください(「登録メールアドレスへの送信」にチェックマークをお願いします)。 |
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講義に関連する実務経験 |
【実務経験】1991年6月〜1992年10月 外務省経済局海洋課調査員 (国連海洋法条約の逐条解説作成など国際法業務の補助) 【実務経験】2013年4月〜2018年11月 広島県情報公開・個人情報保護審査会委員(審査と答申) 【実務経験】2018年2月〜現在 広島県都市計画審議会委員・都市政策部会委員 (災害等を踏まえた都市計画の検討と答申) |
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課題や試験に対するフィードバック |
平常点に関しては、受講生の特徴あるコメント・質問を抜粋して、クラス内および必要に応じてWC資料掲載を通じ、フィードバックを行います。 グループプレゼンテーションに関しては、毎回の質疑応答に参加し、必要に応じてWC資料掲載でフォローアップする形でフィードバックを行います。 |
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アクティブ・ラーニング | PBL,TBL,プレゼンテーション、調査活動、振り返り | ||
キーワード | 国際人権基準、日本社会、外国人、社会権、立憲主義 | ||
備考 |