科目名 | 国際関係史(アメリカ)T | ||
単位数 | 2.0 | ||
担当者 | 講師 長 史隆 | ||
履修時期 | 前期 | ||
履修対象 | 3年次 | ||
講義形態 | 講義 | ||
講義の目的 | この授業では、第二次世界大戦から冷戦期までの国際関係の歩みを、アメリカに焦点を当てながら学び、国際関係史についての多角的な理解の涵養を目指す。その際、国家や政治指導者の動向を中心とする伝統的な見方にとどまらず、社会や文化の側面にも目配りしながら、広い視野から歴史を振り返る。また、教員による一方的な授業に終始せず、履修学生が優れた著作(小説を含む)やドキュメンタリーなどにじかに接することで、ある時代や国に生きた(あるいは現に生きている)人々の経験や思いに耳を傾けることを重視する。それによって、単なる歴史の年表的理解ではなく、普段は出会うことのない「他者」に対する理解や共感の力を養うことを目標とする。 | ||
到達目標 |
上記の点に加え、さらに以下の諸点を目標とする。 ・毎回、一定量の文献を読み、それについての考察を書くということを繰り返すことで、読解力・思考力・文章力の向上を図る。 ・同じ文献を読んだクラスメートの考察に触れることで、自分の考えを相対化し、知的な視野を広げる。 ・毎回のグループ討論では、共感しあうことの喜びとともに、異なる見解を持つ相手との対話の重要性も学ぶ。 ・優れた著作・映画・ドキュメンタリー番組などに接することで、今後の人生においても自らそれらに触れ、知的な視野を広げていくための素養を養う。 |
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受講要件 | 特になし | ||
履修取消の可否 | 可 | ||
履修取消不可の理由 | |||
事前・事後学修 | 本授業は、いわゆる「反転授業」形式で実施する。すなわち受講者には、事前に配布する所定の文献(50〜80ページ程度)を読了し、それについての考察(200〜800字程度)を授業前日までに提出したうえで授業に臨んでもらう。授業は、課題文献に対する教員による補足説明、および受講者が事前に提出した考察に対する教員の応答、さらにそれらを踏まえたグループ討論を中心に進める。受講者は4〜5名程度のグループに分かれて授業に参加する。 | ||
講義内容 |
1.ガイダンス 2.ナチスによるホロコースト@ −課題文献:リヒター『あのころはフリードリヒがいた』の一部 −授業内:映画『最後の日々 生存者が語るホロコースト』の前半を視聴 3.ナチスによるホロコーストA −課題文献:石田勇治『ヒトラーとナチ・ドイツ』の一部 −授業内:映画『最後の日々 生存者が語るホロコースト』の後半を視聴 4.第二次世界大戦におけるアメリカ −課題文献:モリー・グプティル・マニング『戦地の図書館』の一部 5.日本はなぜアメリカと戦争したのか −課題文献:加藤陽子『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』の一部 6.戦争から他者理解へ −課題文献:ドナルド・キーン『ドナルド・キーン自伝〔増補新版〕』の一部 7.「冷戦」時代の始まり −課題文献:斎藤美奈子『学校が教えないほんとうの政治の話』の一部 8.アメリカにおける反共主義(マッカーシズム) −課題文献:益田肇『人びとのなかの冷戦世界』の一部 9.マッカーシズム下に書かれたアメリカの小説を読む@ −課題文献:レイ・ブラッドベリ(伊藤典夫訳)『華氏451度〔新訳版〕』の一部 10.マッカーシズム下に書かれたアメリカの小説を読むA −課題文献:レイ・ブラッドベリ(伊藤典夫訳)『華氏451度〔新訳版〕』の一部 11.アメリカ兵から見たベトナム戦争@ −課題文献:アレン・ネルソン『「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」』の一部 12.アメリカ兵から見たベトナム戦争A −課題文献:アレン・ネルソン『「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」』の一部 13.インドネシア大虐殺とアメリカ@ −授業内:映画『アクト・オブ・キリング』視聴 −課題文献:倉沢愛子『インドネシア大虐殺』の一部 14.インドネシア大虐殺とアメリカA −授業内:映画『アクト・オブ・キリング』つづき視聴 −課題文献:ヴィンセント・ベヴィンス『ジャカルタ・メソッド』の一部 15.インドネシア大虐殺とアメリカB −授業内:映画『アクト・オブ・キリング』つづき視聴 −課題文献:ヴィンセント・ベヴィンス『ジャカルタ・メソッド』の一部 |
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期末試験実施の有無 | 実施しない | ||
評価方法・基準 |
・毎回の授業前日に提出する考察(50%) ・授業内でのディスカッションへの積極的参加(10%) ・期末レポート(40%) |
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教科書等 | 特になし | ||
担当者プロフィール |
アメリカ政治や日米関係の歴史を専門とする。 研究室:国際学部棟6階 639研究室 |
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講義に関連する実務経験 | |||
課題や試験に対するフィードバック | 毎回の授業前日までに提出する考察については、全員分を教員が読んだうえで、重要な箇所に下線を引いたりコメントを付したりして全員分を全員に返却する。それによって、履修者同士が互いの考察を読むことを可能とし、相互研鑽につながることを期待している。さらに特に鋭い考察をいくつか選び、授業内で紹介することで、グループディスカッションの呼び水とする。 | ||
アクティブ・ラーニング | TBL/ディスカッション | ||
キーワード | 第2次大戦/ホロコースト/冷戦/虐殺/他者理解 | ||
備考 |