科目名 現代社会と法U
単位数 2.0
担当者 広島平和研究所 教授 河上暁弘
履修時期 後期
履修対象 2年・3年・4年
講義形態 演習
講義の目的  法学の視点から「現代社会と法」をめぐる論点を探ることが授業の目的である。
 今年度は、平和と法をめぐる問題を取り上げる予定。
到達目標 ・現代社会における法にまつわる論点について、多角的に分析し、論点を提示し、自らの意見を論理的に自らの言葉で表現できることが到達目標です。[知識・思考力・・表現力]
受講要件 ※ 基本的に毎回出席すること 
※ 本講義受講前に、「法学(日本国憲法)」を受講していることが望ましい。これは必須要件ではないが、本講義の内容は、一応、「法学(日本国憲法)」の延長線上にあり、またその応用的内容を扱うという位置づけになっているので、「法学(日本国憲法)」を先に受講することをおすすめしたい。

※ 講義の教材(レジュメ・資料)は、学内講義支援webシステム「Web Class」に、各回事前掲載する。
履修取消の可否
履修取消不可の理由
事前・事後学修 各回、事前に指定した資料・文献を一読してくること(30分程度)。
法律学の学習において、何よりも重要なのが、事後学習(復習)である。
講義で取り上げたポイントをよく思い出しながら、講義教材(レジュメ・資料)をもう一度よく読みこむことがまず重要である(毎回60分程度)。

ここまでが基礎学修です。

さらに、できれば、参考書(後述)や図書館等にある憲法の教科書、そして毎回のレジュメの最後の方に記載してある「参考文献」を読み、応用的な学習を常に心がけて頂きたい
講義内容 本年度は、以下のような、講義内容を予定している。ただし、講義参加者の要望や憲法をめぐる政治・社会情勢等により、順序や内容を変更することがある(なるべくホットなテーマをとりあげたい)。また、その結果、テーマを変更したり、すべてのテーマをとりあげないこともありうるので、ご理解を頂きたい。

1 近代世界の平和構想 現代戦争とカントの永遠平和論
2 近代日本の平和構想 国権論と民権論の相克
3 憲法9条と「現実主義」(1)「国」を守るとは
4 憲法9条と「現実主義」(2)日本の安全保障環境と現実主義
5 憲法学界と内閣法制局の憲法9条解釈
6 戦後日本の「平和」の構造(1)「豊かさ」と平和
7 戦後日本の「平和」の構造(2)日本企業の海外進出と憲法改正論
8 戦後日本の「平和」の構造(3)集団的自衛権行使・安保法制の論点
9 戦後日本の平和運動と対抗構想
10 憲法研究者の平和構想(1)深瀬忠一構想三部作
11 憲法研究者の平和構想(2)サンダーバード提案
12 憲法研究者の平和構想(3)福祉国家構想研究会
13 地方自治と平和
14 戦争違法化論と世界連邦論
15 戦後日本の平和構想を振り返って
期末試験実施の有無 実施しない
評価方法・基準 基本的にゼミレベルの少人数の講義となることを想定しているので、受講票、報告レジュメ作成、報告、質疑・発言の学問的な質の高さ、レポートを総合的に評価する。
教科書等 A.教科書:
講義の教材(レジュメ・資料)は、学内講義支援webシステム「Web Class」に掲載(アップロード)する予定。その他、参考となる教材や資料を指定・例示することもある。

B.参考書:河上暁弘『戦後日本の平和・民主主義・自治の論点 ――小林直樹憲法学との「対話」に向けて』敬文堂、2022年
担当者プロフィール 富山県富山市生まれ。中央大学法学部政治学科卒業、中央大学大学院法学研究科公法専攻博士前期課程修了、専修大学大学院法学研究科公法学専攻博士後期課程修了、博士(法学)。中央大学人文科学研究所客員研究員、明星大学人文学部非常勤講師などを経て、2008年4月より広島市立大学広島平和研究所講師、2014年4月より現職。
専門は、憲法学、地方自治論、人権論等。主著として、河上暁弘著『平和と市民自治の憲法理論』(敬文堂・2012年)、河上暁弘著『日本国憲法第9条成立の思想的淵源の研究』(専修大学出版局・2006年)など。
その他、担当者の経歴・研究内容等については、広島市立大学広島平和研究所ホームページ(http://serv.peace.hiroshima-cu.ac.jp/)を参照してほしい。
講義に関連する実務経験
課題や試験に対するフィードバック 提出された課題、提示された質問等については講義内の時間でコメントする
アクティブ・ラーニング 講義時間内に、意見表明、質疑、討論の時間を設ける。
キーワード 法 現代社会 平和
備考 ・対面講義を想定している。

・科目の性質上、少人数の講義を想定しているので、いわゆるゼミ方式を採用することになると思う。進め方は受講者と相談するが、基本的に報告者は私・河上が務める予定。ただし、希望があれば、受講者が報告者を務めることも推奨される。