科目名 | 交通論 | ||
単位数 | 2.0 | ||
担当者 | 教授 寺田 英子 | ||
履修時期 | 前期 | ||
履修対象 | 3年 | ||
講義形態 | 講義 | ||
講義の目的 |
私たちが毎日のように利用する交通サービスは,普通のモノやサービスとはどこかが違います.それらは生鮮食品のように,日によって値段が変わるということがありません.また,交通サービスを供給する鉄道会社,バス会社などの事業者の数はあまり変化しません.どうしてこのような特色があるかといえば,それは交通サービスが政府の公的介入(国土交通省による様々な規制)を受けているためです. この講義では,ミクロ経済学を交通分野に応用して考えてみます.なぜ交通サービスに政府の規制が必要なのか,なぜ運賃が規制されるのか,交通産業への新規参入者はどのような行動をするのか,経済学の視点で学びます. |
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到達目標 |
この科目は国際学部のディプロマ・ポリシーを構成する「知識・技能」を身につけることを目標としています. この講義では,ミクロ経済学の立場から,なぜ交通サービスについて政府の規制が必要なのか,なぜ運賃が規制され,交通事業への新規参入が制限されるのかを考えます. 判断の基準はミクロ経済学で用いられる資源配分上の効率性です.地域の公共交通問題をとりあげて,この概念をあてはめて考えてみましょう. |
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受講要件 |
受講要件は特にありませんが、ミクロ経済学を受講することをお薦めします. この講義では,受講者に公共交通サービスについて関心を持ってもらうために取材した事例を紹介します.都市や交通サービスに関心がある人にお薦めの講義です.この講義に関連する科目として「財政学I」および「財政学II」があるのでこれらを受講していることが望ましいです. |
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履修取消の可否 | 可 | ||
履修取消不可の理由 | |||
事前・事後学修 | 講義終了後に教科書等を参照してノート整理をして下さい. | ||
講義内容 |
第1回 交通政策の目的とは何か 第2回 完全競争市場と資源配分について 第3回 市場の失敗とは何か(1):概念の説明 第4回 市場の失敗とは何か(2):交通の分野で生じる現象 第5回 需要の価格弾力性について 第6回 第1回クイズ(第2回から第5回の講義内容から出題)と重要な概念の解説 第7回 第1回クイズに関する質問と補足説明 第8回 都会の交通問題:混雑料金とは何か 第9回 地方の交通問題(1); 過疎地の公共交通の維持 第10回 地方の交通問題(2); 新しい競争者、新しいサービスの供給 第11回 第2回クイズ(第7回〜第10回の講義内容から出題)と重要な概念の解説 第12回 交通プロジェクト評価はなぜ必要なのか 第13回 費用便益分析の基本的な考え方 第14回 社会資本整備と費用便益分析 (1) 第15回 社会資本整備と費用便益分析 (2)、日本の公共投資の事後評価システム |
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期末試験実施の有無 | 実施する | ||
評価方法・基準 |
・学期中にクイズ(小テスト)を3回,ノート・講義中の配布資料持ち込みで実施する予定です.クイズ実施の予定日は「講義内容」に書いたとおりです.クイズ実施の2週間前にアナウンスします. ・クイズにより成績を評価します.追加でレポート形式の課題を出した場合は,それも成績評価に加えます. ・クイズの目的は講義で説明した重要な概念が理解できたかどうかを確認することです.終了後に、解答と重要な概念の解説をします. ・全体的な理解にやや難がある場合には、講義内容を再解説するので、予定していた講義内容とずれが生じることがあります. ・出席回数の要件については学生ハンドブックに規定されているとおりです. |
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教科書等 |
第2回以降の講義で必要に応じて資料のコピー等を配布します. 竹内健蔵『交通経済学入門』有斐閣ブックス, 2008年. 山内弘隆・竹内健蔵『交通経済学』有斐閣アルマ, 2002年. 山田浩之・徳田一幸『地域経済学入門 新版』有斐閣コンパクト, 2007年. |
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担当者プロフィール |
研究者としての私の特徴 @ 分析ツールは公共選択論で,現実の政策に関心がありますが,その中身というよりは, 制度的な意思決定の仕組みや経済的なインセンティブに興味があります. A 市場メカニズムにまかせるほうが,いろいろと無駄は生じるものの,計画経済的な状況 よりもはるかにマシだ,と考えています. 私の研究内容 @ イングランドの地方部における公共交通と社会的包摂の研究 A 公共交通のアクセシビリティに関する日とイングランドの比較研究 B 日本の国際拠点港湾の民営化に関する研究 |
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講義に関連する実務経験 | 1987年〜1998年まで(株)PHP総合研究所というシンクタンクで研究員をしていました.男女雇用機会均等法(1985年制定)が施行されて2年目の総合職として入社しましたが,大学院での研究内容(公共交通、港湾物流)を活かすことができる仕事でした.外部資金の獲得も担当業務の一部だったので,研究企画をコンペに出して助成金を獲得し,大学教員の研究作業をコーディネートして成果を出すという経験が今でも役立っています. | ||
課題や試験に対するフィードバック |
・クイズに備えて講義内容についての質問を集め、回答します. ・クイズ終了後に、解答例を配布して解説をします. ・全体的な理解にやや難がある場合には、講義内容を再解説します.そのため、予定していた講義内容とずれが生じることがあります. |
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アクティブ・ラーニング | |||
キーワード | 交通政策,交通市場,市場の失敗,経済的規制,公共投資,費用便益分析. | ||
備考 |