科目名 リーディング・パブリック・ポリシーi
単位数 1.0
担当者 准教授 山根史博
履修時期 前期(第1ターム)
履修対象 1年次以上
講義形態 講義
講義の目的 英文資料を読むことを通じて、生物多様性問題に関わる最新のグローバル・イシュー(環境のみならず、市場経済、マイノリティ、権力構造、公平性、transformative change、good livingなども)とそれらに関するキーワードや概念について学んでいく。初めて聞くキーワードや概念は自分たちでその意味を調べ、理解を深める。その上で、資料に挙げられたイシューについてディスカッションをすることで、他の受講生の興味・関心、意見を理解するとともに、課題の解決・緩和・適応に向けた筋道を自分なりに検討できるようになる。

「生物多様性」に特化した内容ではあるが、生物多様性は公共部門の様々な側面(教育、健康、福祉、経済、環境、インフラ、文化など)と分かちがたく繋がっており、それらが生物多様性問題の原因になることもあれば、生物多様性問題によって影響を受けることもしばしばある。それゆえ、あえて特化した内容で学ぶことが、公共部門の全体像と諸側面の連関を広範に理解する効果的なアプローチにもなる。
到達目標 ・生物多様性問題における最新イシューとそれらに関するキーワードや概念を理解する(知識)
・初見のキーワードや概念の意味を自分たちで調べる(主体性)
・資料の大まかな内容を発表する(表現力)
・ディスカッションを通じて同じ課題に対する多様な着眼点をとり入れつつ、解決・緩和・適応のあり方を検討する(協働性・思考力・判断力)
受講要件 毎回、下記の事前学習を必ずしてくること
履修取消の可否
履修取消不可の理由
事前・事後学修 毎回、次の授業で扱う資料の範囲を指定する。その範囲を読み、内容を大まかに理解するとともに、初見のキーワード・概念の意味を調べてくること。

また、初回授業で各回のプレゼンテーション担当者を割り振るので、受講生は割り振られた回について40分程度のプレゼン資料を作成すること。
講義内容 1. ガイダンス
2. Understanding the diverse values of nature(内容のプレゼン、質疑応答、追加リサーチ)
3. Measuring and making visible the values of nature(プレゼン、質疑応答、追加リサーチ)
4. 同上(ディスカッション)
5. Leveraging the diverse values of nature for transformative change towards sustainability(プレゼン、質疑応答、追加リサーチ)
6. 同上(ディスカッション)
7. Embedding the values of nature for transformative decision-making for sustainability(プレゼン、質疑応答、追加リサーチ)
8. 同上(ディスカッション)

※ 追加リサーチとは、プレゼンテーションの不足部分や質問への応答が難しかった箇所について受講生全員でインターネットなどを活用してその場で調べ物をすること
期末試験実施の有無 実施しない
評価方法・基準 プレゼンの質(プレゼンを担当する回は初回に決定する):25%
質疑応答・ディスカッションでの積極性:50%
各回の振り返り(受講票):25%
教科書等 教科書:IPBES (2022), "Methodological assessment regarding the diverse conceptualization of multiple values of nature and its benefits, including biodiversity and ecosystem functions and services"
担当者プロフィール 専門:環境経済学、環境心理学、計量経済学など
学位:地球環境学博士
研究室:国際学部542研究室
講義に関連する実務経験 この授業のテキスト(報告書)の作成元である国際機関IPBESに日本国内の生物多様性に関する科学的知見を提供する環境省の研究プロジェクト(環境研究総合推進費)S-16に参画、現在はその後継であるS-21に参画中。大正〜昭和初期の食生活を分析することで当時の人々の世界観(社会観、自然観、死生観、労働観など)や知識体系(伝統知、地域知、技能など)の抽出に取り組んでいる。
課題や試験に対するフィードバック プレゼンテーションの補足、並びに専門性が高いキーワード・概念について補足説明をする。
受講生で自己解決できそうな不足箇所については授業内で追加リサーチを行うことで補っていく。
また、各回の受講票に書かれた内容を精査し、以降のプレゼンテーションとディスカッションにおける力点として反映する。
アクティブ・ラーニング プレゼンテーション、調査活動、ディスカッション、TBL
キーワード 生物多様性、環境、市場経済、マイノリティ、権力構造、公平性、transformative change、good living
備考 受講生が10名を超える場合は選抜を行なう可能性があるので、受講を考えている学生は初回授業に必ず参加すること。英語能力よりも受講動機に基づいて判断したい。