科目名 解析学U
単位数 2.0
担当者 システム工学専攻 准教授 岡山友昭 (A, B, C, D クラス担当)
知能工学専攻   教授 齋藤夏雄 (E, F, G, H クラス担当)
医用情報科学専攻 准教授  齋藤徹 (I, J, K, Lクラス担当)
履修時期 後期
履修対象 1年次
講義形態 講義
講義の目的 解析学Tでは1変数関数の微分と積分を学習しましたが, 解析学Uでは, 多変数関数 (特に2変数関数) の微分と積分について学びます. 多変数関数は情報科学の様々な分野で使われている対象です.
微分に関しては新たに偏微分, 方向微分の概念を学び, 更に合成関数の偏微分等の計算技法を修得します. また, 積分に関しては重積分, 累次積分の概念をもとに, 変数変換, 広義積分などの技法を学びます.
これらを修得すると, 最大値・最小値を求める問題に代表される, 微分, 積分に関するさまざまな問題への応用が可能となり, 私たちの身近な問題を数学を使って解くことが出来るようになります.
到達目標 情報科学を学ぶ上で欠かせない偏微分, 重積分に関する基礎的な知識, 技法を修得する. 【知識1, 知識2】
さらに問題を解くのにそれらを適切に用い, かつ論理的に説明できる. 【技能1, 思考力・判断力, 表現力】
受講要件 「解析学T」, 「線形代数学T」を履修していること.
履修取消の可否
履修取消不可の理由
事前・事後学修 「偏微分」, 「重積分」はそれぞれ1変数関数の微分および積分を基礎とします. 従って, 前期科目「解析学T」の内容を理解, 修得していることが求められます.
また, 前期科目「線形代数学T」の内容を理解, 修得していることも必要です.
第4回と第13回は演習を行います. これらの回で扱う演習問題については十分に復習されることを希望します.
講義内容 第1回 多変数関数
第2回 偏微分
第3回 合成関数の偏微分
第4回 演習I (偏微分の基本計算)
第5回 Taylor展開, 近似
第6回 方向微分と勾配
第7回 極値問題
第8回 陰関数定理, 条件付き極値問題
第9回 中間まとめ
第10回 2重積分
第11回 累次積分
第12回 変数変換
第13回 演習II (条件付き極値問題, 2重積分の基本計算)
第14回 広義積分
第15回 まとめ

※上記とは別に期末試験を実施する.
期末試験実施の有無 実施する
評価方法・基準 成績は, 中間試験(40%), 期末試験(50%), 第4, 13回目に実施する演習および小テスト等(10%)をもとに, 「学修の手引き」記載の基準で秀・優・良・可・不可を判定します.
達成評価の基準は以下の通りです.
(1) 基本的な2変数関数のグラフの概形を描けるか.
(2) 2変数関数の極限, 連続性を理解しているか.
(3) 偏微分の概念を理解し, 具体的な偏導関数を計算出来るか.
(4) 具体的な合成関数の偏微分が計算出来るか.
(5) 2変数関数のTaylor展開が出来るか.
(6) 方向微分と勾配の概念を理解しているか.
(7) 極値問題, Lagrangeの未定乗数法を修得しているか.
(8) 2重積分の定義と意味を理解しているか.
(9) 累次積分による積分法を修得しているか.
(10) 変数変換 (極座標変換) による積分法を修得しているか.
(11) 広義積分の概念を理解し, 具体的な計算が出来るか.
教科書等 教科書:
皆本晃弥, 基礎からスッキリわかる微分積分, 近代科学社
(前期科目「解析学T」の教科書と同じです).

参考図書:
初級: 石村園子, やさしく学べる微分積分, 共立出版,
   青本和彦他編集, 岩波数学入門辞典, 岩波書店.
中級: 小形正男, キーポイント 多変数の微分積分, 岩波書店,
   寺田文行, 演習微分積分, サイエンス社,
   佐々木良勝, 鈴木香織, 竹縄知之 (共編著), 河東泰之(監修), 微分積分, 数理工学社.
上級: 高木貞治, 定本解析概論, 岩波書店,
   日本数学会編集, 岩波数学辞典(第4版), 岩波書店.
担当者プロフィール 岡山: 専門は数値解析です. 関数解析や複素解析を道具として高性能計算に取り組んでいます. (居室: 情823)
齋藤(夏): 専門は代数幾何学です. さらにそれを応用した符号理論・暗号理論にも興味を持っています. (居室: 情833)
齋藤(徹): 専門は理論化学です. 量子化学計算を用いたバイオインスパイアード触媒の研究や計算方法の開発をしています. (居室: 情532)

相談や質問で教員の居室を訪れる際には, 事前にメールで面会の予約をしてください.
講義に関連する実務経験
課題や試験に対するフィードバック 演習に関しては解答例を示しますので, それを参考によく復習されることを希望します. 試験については採点基準および講評を公開します.
アクティブ・ラーニング 振り返り
キーワード 多変数関数, 偏微分, 偏導関数, Taylor展開, 方向微分, 勾配, 極値問題, Lagrangeの未定乗数法, 2重積分, 累次積分, 変数変換, 広義積分
備考 【教職】高一種(数学)