科目名 情報科学基礎実験β
単位数 3.0
担当者 知能工学専攻 准教授 岩田一貴(前半の代表教員)、准教授 目良和也
情報工学専攻 講師 谷川一哉、助教 井上伸二、助教 岩垣剛
医用情報科学専攻 准教授 青山正人

医用情報科学専攻 准教授 藤原久志(後半の代表教員)
システム科学専攻 助教 小作敏晴、助教 佐藤康臣、助教 高橋雄三
履修時期 前期または後期
履修対象 2年次
講義形態 実験
講義の目的 1. 前半(第1〜7回、第15回)
データ構造とは計算機でデータを表現する方法のことで、アルゴリズムとはデータに基づいた問題を解く手順を記述したもののことである。効率的なプログラムを書くためには、両者を対で考える必要がある。基本的なデータ構造とアルゴリズムをPythonによりコード化する実習を通じて、アルゴリズムの効率性を体感し、理解する。また、問題に対してデータ構造とアルゴリズムを自発的に工夫し、工夫した点を論理的にわかりやすく発表する。
2. 後半(第8〜14回、第15回)
情報科学の発展に伴い、データサイエンスはますます重要となってきている。データサイエンスを構成する「バラツキのあるデータ」「変動するデータ」「確率分布に従うデータ」を対象とし、それぞれの性質を持ったデータをコンピュータ上でどのように取り扱うのか、データから求める結果を得るためにはどのような解析が必要なのかを実習を通じて会得する。また、データが指し示す現象のモデル化と予測、現象の原因究明と問題解決のためのシミュレーション技法に至るまでをコンピュータ上で実現する過程を通じて、情報科学の基礎とその応用を身につける。
到達目標 1. 前半(第1〜7回、第15回)
・基本的なデータ構造とアルゴリズムの効率性を理解する。【知識2、技能1】
・問題の条件に応じて適切なデータ構造とアルゴリズムを選ぶことができる。【思考力・判断力】
・問題に対してデータ構造とアルゴリズムを自発的に工夫し、工夫した点を論理的にわかりやすく他者に伝えることができる。【表現力、主体性】
2. 後半(第8〜14回、第15回)
・データの性質に応じた情報処理方法を解析プログラムの作成を通じて理解する。【知識2・技能1】
・観測データを用いての現象の理解・予測・モデル化とシミュレーション技法の実践を通じて、コンピュータを用いた問題解決手法を修得する。【知識2、技能1、思考力・判断力】
受講要件 1. 前半(第1〜7回、第15回)
プログラミングI・IIおよびデータ構造とアルゴリズムIを履修していることが望ましい。
2. 後半(第8〜14回、第15回)
1年次科目「プログラミングI・II,プログラミング演習I・II」の教科書、2年次科目「確率統計」の教科書を持参すること。
履修取消の可否
履修取消不可の理由 必修科目のため
事前・事後学修 1. 前半(第1〜7回、第15回)
・LMSにアップロードされた資料を事前に予習し、わからない点を明確にしておく。(学修時間:週30分)
・事後は実験結果を整理・分析し、そのレポートを作成する。(学修時間:週90分)
2. 後半(第8〜14回、第15回)
・WebClassにアップロードされるガイダンス資料、実施予定表、実験テキストなどの配布資料を受講前に確認する。各回の受講前に実施テーマに関する内容を予習しておく。
・各テーマ受講後は、実験課題の結果をまとめて実験レポートを作成する。
講義内容 第1回 Python入門:文法と実装例(准教授 目良、准教授 岩田)
第2回 アルゴリズム、計算量、データ構造(助教 井上、助教 岩垣)
第3回 スタック、キュー(助教 井上、助教 岩垣)
第4回 連結リスト、木、グラフ(准教授 青山、助教 岩垣)
第5回 探索(准教授 青山、助教 岩垣)
第6回 ソート(講師 谷川、准教授 岩田)
第7回 Pythonのソートライブラリ(講師 谷川、准教授 岩田)
第8回:1変量データの統計処理、正規母集団の統計的推測とコンピュータによるサンプリングの基礎(助教 小作,准教授 藤原)
第9回:シミュレーション技法による母集団データの母数の区間推定の検証(助教 小作,准教授 藤原)
第10回:コンピュータによる2変量数値データの分析(助教 佐藤,准教授 藤原)
第11回:多変量データによる現象の予測とその評価(助教 佐藤,准教授 藤原)
第12回:解析的(理論的)アプローチを用いた待ち行列システムのモデル化(助教 高橋,准教授 藤原)
第13回:待ち行列システムのモンテカルロ・シミュレーション(助教 高橋,准教授 藤原)
第14回:総合課題(助教 小作,助教 佐藤,助教 高橋,准教授 藤原)
第15回:発表と前半のまとめ/後半のまとめ(准教授 岩田、准教授 藤原)
※授業の順序は変更することがある。
期末試験実施の有無 実施しない
評価方法・基準 1. 前半(第1〜7回、第15回)
プログラムソースコード・レポートの得点 88点
発表の得点 12点
2. 後半(第8〜14回、第15回)
評価の方法と配分は下記の通り.
授業への積極的な取り組み(質問・提案等):20%
授業中の課題達成度:30%
レポートの完成度:50%
なお,「授業中の課題達成度」ならびに「レポートの完成度」の評価の前提として、必ずすべてのテーマに取り組み、すべてのレポートを提出し合格することが求められます。
教科書等 1. 前半(第1〜7回、第15回)
教科書: 増井敏克、Pythonではじめるアルゴリズム入門、翔泳社、2020
参考書: 酒井和哉、Pythonによるアルゴリズム入門、オーム社、2020
参考書: 野中謙一郎他、技術レポート作成と発表の基礎技法(改訂版)、コロナ社、2018
2. 後半(第8〜14回、第15回)
教科書:配布する実験の手引書.
参考書:野中謙一郎他著、技術レポート作成と発表の基礎技法(改訂版)、コロナ社、2018.
担当者プロフィール 1. 前半(第1〜7回、第15回)
[岩田一貴] 数理工学を専攻。 研究室: 情報科学部棟7階710室
[目良和也] 感情情報処理・対話理解を専攻。 研究室: 情報科学部棟7階761室
[谷川一哉] 計算機アーキテクチャを専攻。 研究室: 情報科学部棟5階512室
[井上伸二] ネットワークソフトウェアを専攻。 研究室: 情報科学部棟4階455室
[岩垣 剛] ディジタルシステムの設計とテストを専攻。 研究室: 情報科学部棟7階750室
[青山正人] 医用画像診断支援を専攻。 研究室: 情報科学部棟6階613室

授業に関する個別学習相談は随時受け付けている。担当者の所在は、学内サイネージ等に掲示されているので、確認のうえ、研究室を訪ねて欲しい。
2. 後半(第8〜14回、第15回)
藤原:専門分野は、光学顕微鏡による計測・解析手法の開発。研究室は情報科学部棟533号室
小作:専門分野は、流体工学、機械制御。研究室は情報科学部棟861号室
佐藤:専門分野は、ソフトウェア、分散協調システム。研究室は情報科学部棟812号室
高橋:専門分野は、人間工学・生理心理工学・人類働態学領域の研究に従事。研究室は情報科学部棟844号室

授業に関する個別学習相談は随時受け付けている。担当者の所在は、学内サイネージ等に掲示されているので、確認のうえ、研究室を訪ねて欲しい。
講義に関連する実務経験 小作 敏晴:1994年4月〜1997年3月 花王株式会社に勤務(物流システムの技術開発業務に従事)
課題や試験に対するフィードバック 1. 前半(第1〜7回、第15回)
プログラムソースコード・レポートの評価を要約した表を提示する。
2. 後半(第8〜14回、第15回)
提出課題・レポートに対する評価・指導(総評、個別)は、授業時間内での口頭、電子メールもしくは学習管理システム(WebClass)等による連絡により行う。
アクティブ・ラーニング PBL、プレゼンテーション、調査活動、振り返り
キーワード 1. 前半(第1〜7回、第15回)
Python、計算量、スタック、キュー、連結リスト、木、グラフ、探索、ソート
2. 後半(第1〜14回、第15回)
データサイエンス、モデリング、シミュレーション、標本調査、回帰分析、待ち行列
備考 【教職】高一種(情報)