科目名 医用生体画像計測
単位数 2.0
担当者 医用情報科学専攻 教授 新任教員(代表教員)
医用情報科学専攻 准教授 青山正人
医用情報科学専攻 准教授 藤原久志
履修時期 前期(第2ターム)
履修対象 3年
講義形態 講義
講義の目的 医用生体画像計測において、主に(1)光学顕微鏡画像、(2)放射線画像、(3)磁気共鳴画像、を活用するための基礎知識を学ぶ。
(1)において、具体的には光学顕微鏡に関して、基本的な構成(光学系など)、分解能を決める要因、コントラスト生成方法、および蛍光顕微鏡(基本と応用)を学ぶ。
(2)では、放射線を用いた投影像であるX線画像、断層像を得るX線CT撮影法、また放射性医薬品を用いたポジトロン断層撮影法などの核医学分野の画像計測について理解する。
(3)では、磁気共鳴現象の物理、撮影のパルスシーケンスや画像再構成を学び、磁気共鳴イメージングや装置に関する理解を深める。
この他、超音波イメージングなど他の画像計測法についても基礎を学ぶ。
到達目標 下記にあげた具体的な目標の達成により、医用生体画像計測における基礎的な知識・技能を習得する。
・光学顕微鏡の基礎知識を基に、より良い顕微鏡画像計測を行うための方法論を検討することができる。【知識2、技能1】
・X線に関する物理や画像再構成の数理に関する基礎を習得するとともに、医療で使用されている各種の放射線画像の技術とその応用について理解する。【知識2、技能1】
・磁気共鳴現象の基礎を学び、パルスシーケンスで表現された各種の撮影法が生体のどのような性質を映像化するかを理解する。【知識2、技能1】
・撮影対象に応じて適切な医用画像計測法を選択できるような知識を得るとともに、その得失を比較して論じることができるようになる。【思考力・判断力】
受講要件 特になし
履修取消の可否
履修取消不可の理由
事前・事後学修 ・講義内容をノートにまとめ、さらに詳しい内容を参考書で調べる。
・宿題として出された演習問題に取り組み、レポートとして提出する。
講義内容 (1)光学顕微鏡画像(藤原担当)
 第1回 光学顕微鏡の基本(種類や基本的な光学系など)
 第2回 光学顕微鏡の分解能:(1)基礎知識
 第3回 光学顕微鏡の分解能:(2)開口数と透過回折格子との関係
 第4回 光学顕微鏡の分解能:(3)照明方法および油浸の効果
 第5回 顕微鏡像におけるコントラストの生成
 第6回 分子の光吸収と蛍光
 第7回 蛍光顕微鏡の基本
 第8回 蛍光顕微鏡の応用

注:上記8回の授業は、オンラインによる実施を予定している。詳しい授業実施方法等については、電子メール又は学習管理システム等による連絡で説明する。


(2)放射線画像(第1回から第3回:新任教員担当)、(3)磁気共鳴画像(第4回から第7回:青山担当)
 第1回 X線撮影
 第2回 X線CT撮影
 第3回 核医学(SPECT、ポジトロン断層撮影)
 第4回 磁気共鳴イメージング:(1)基礎と概要
 第5回 磁気共鳴イメージング:(2)信号収集
 第6回 磁気共鳴イメージング:(2)パルスシーケンスと画像再構成
 第7回 その他のイメージング手法(超音波イメージング・OCTなど)
期末試験実施の有無 実施しない
評価方法・基準 方法:
・レポート(60%)および授業参加度(40%)により評価する。
基準:
・医用生体画像計測に光学顕微鏡を活用するための基本事項と原理について理解していること。
・放射線を用いた医用生体画像計測法および画像再構成法の基本事項と原理について理解していること。
・磁気共鳴現象に基づく医用生体画像計測法および画像再構成法の基本事項と原理について理解していること。
・各種医用生体画像計測法の特性を理解していること。
教科書等 参考書:(藤原担当分)
 @ 日本生物物理学会 シリーズ・ニューバイオフィジックス刊行委員会 (編集)、「バイオイメージング 」( 共立出版)、1998
 A Shinya Inoue,Kenneth R. Spring、「ビデオ顕微鏡―その基礎と活用法」(共立出版)、2001
参考書:(新任教員、青山担当分)
 日本医用画像工学会 (著, 監修)、日本医用画像工学ハンドブック編集委員会 (編集)、「医用画像工学ハンドブック」、2012
担当者プロフィール 新任教員:核医学などの医用画像の解析と処理、画像再構成を含む画質改善処理の研究に従事。
青山:医用画像を対象にした診断支援に関する研究に従事。
藤原:「情報科学」、「自然科学」、「工学」の融合による光学顕微鏡を用いた計測・解析手法の研究に従事。

講義に関連する実務経験 新任教員:1998年ー2001年京都大学医学部附属病院、2001年ー2007年先端医療センターに勤務(映像医療機器を用いた診断・治療に関する研究開発に従事)。
課題や試験に対するフィードバック 提出課題・レポートに対する評価・指導(総評、個別)は、授業時間内での口頭、電子メールもしくは学習管理システム等による連絡により行う。
アクティブ・ラーニング 調査活動・ディスカッション・振り返り
キーワード 光学顕微鏡、分解能、透過回折格子、蛍光、X線、γ線、フーリエ変換、画像再構成、磁気共鳴現象
備考 学生の学習指導・支援体制について:
授業内容に関する個別学習相談を、来訪またはオンラインによる面談により随時受け付けているが、事前にメールでアポイントメントを取ること。