科目名 油絵基礎演習
単位数 2.0
担当者 講師 菅亮平
履修時期 前期
履修対象 1年次
講義形態 演習
講義の目的 多様な表現の展開可能性を持った油絵の基礎課程として「Into the Drawings」を開講する。本講座では、ドローイングという表現領域が内包する拡張性に着目し、各自が選択したテーマ、モチーフ、メディア(描画材料)に基づいてその可能性を探求する。受験期までに繰り返してきた「デッサン」と「ペインティング」を往還する一連の固定した取り組みを相対化し、各自のドローイングのあり方、ひいては新しい制作プロセスとワークフローを開拓する機会とする。
到達目標 各自の創作の起点となる ドローイングの可能性とその表現領域の在り方を理解できる。
(知識・技能、思考力・判断力・表現力、主体性・協働性)
受講要件 油絵専攻の学生は1年次必修科目であるので履修すること。
履修取消の可否
履修取消不可の理由 1年次必修の専門科目である。
事前・事後学修 同時期に開講する「絵画材料論」を受講し、絵画表現とメディアの関係についての前提理解を身につける。
課題終了後も継続してその他の実習課題や自主制作の中でドローイングについての問題意識を養う。
講義内容 【講座の概要】
ガイダンスとレクチャーを踏まえて、ドローイングという表現領域を各自が解釈し、任意の表現素材・手法・サイズに基づいて自由に制作に取り組んで良い。

【プログラム】
01. 課題説明のガイダンスを行い、実習室の制作環境を整える。
02. 本課題に関する参考作品例の解説レクチャーを行う。
03. 個別のチュートリアルを行う。
04. 各自の関心に基づいて作品の題材となる対象とメディアを選定する。
05. 参考作品資料を壁に貼る。
06. 順次作品制作にとりかかる。
07. 各自が設定した狙いに基づいて表現方法を工夫しながら作品制作を進める。
08. 先行研究を兼ねて「図書館演習」を行う。
09. ドローイングと隣接した表現領域としてのアートブックやZINEの紹介を行う。
10.個別の中間チュートリアルを通して問題点を確認し制作を進める。
11. 各自の創作内容に応じて展示方法を工夫する。
12. 講評に向けたプレゼンテーションの準備を行う。
13. 講評では受講生の発表を基にディスカッション形式で意見交換を行う。
14. 展示演習として実習期間内の成果物を展示し成果展を開催する。
15. 複写(作品撮影)の演習を行う。

※ 図書館演習:大学付属図書館に集合して、画集や作品集を持ち寄り、それらの内容についてプレゼンテーションとディスカッションを行う。
※ 展示演習:平面作品の壁面展示の基本事項を説明し、課題作品を実際に展示する演習を行う。
※ 複写演習: 同講座期間内に写真技術に関するオンデマンドレクチャー動画を視聴し、課題作品の複写の演習を行う。
期末試験実施の有無 実施しない
評価方法・基準 演習中の取り組みの姿勢や授業態度、課題説明の捉え方や講評会でのプレゼンテーションを評価の基本条件とし、提出作品の造形力や表現内容について点数化して評価する。
判定の基準として課題への取り組みや提出作品の内容が満たされていれば「可」とし、提出作品の内容や造形的に工夫がなされているものを「良」とする。これらに加え、制作において各々が問題意識と自身の取り組むべき課題意識を見つけ出す自己分析をはじめとする積極的な取り組みの姿勢や工夫など、授業態度も含めた総合的観点において高い学習成果が認められたものを「優」とする。その中でさらに独自性を表した制作について「秀」と認定する。
教科書等 参考図書・ウェブサイトの情報は授業内で紹介する。
担当者プロフィール 東京藝術大学で博士号(美術)、ミュンヘン造形美術アカデミーでマイスターシューラー号を取得する。現代アートの領域で国内外を問わず美術作家として活動する。
アーティストウェブサイト:https://ryoheikan.com
授業用ウエブサイト:https://class.ryoheikan.com
研究室番号:644
講義に関連する実務経験
課題や試験に対するフィードバック 提出した作品は講座の最終日に講評する。
アクティブ・ラーニング PBL(学習者が自ら問題を発見し、設定した課題を解決しながら学ぶ)、TBL(少人数チーム学習により、グループで共同して互いに教えあう能力を鍛える)
キーワード 絵画、ドローイング、デッサン、クロッキー、スケッチ、写真、映像、立体、インスタレーション、展示
備考 ※ 油絵専攻共同研究室の専用オンラインプラットフォームで必要事項の伝達及び課題提出を行うため、受講生は事前の登録を行う。