科目名 古美術研究(演習)
単位数 4.0
担当者 准教授 野田睦美、デザイン工芸学科全教員、准教授 城市真理子、非常勤講師 矢野健一郎、非常勤講師 重森千青
履修時期 通年
履修対象 1年次、2年次におけるデザイン工芸学科の専門科目を全て履修済みであること。
講義形態 演習
講義の目的 古美術研究ガイダンスと事前学内講義と9月上旬(5泊6日)の奈良、京都への古美術研究旅行(古美術研究現地講義)を通し、奈良と京都における一般公開されていない国宝及び重要文化財など(仏像、襖絵、建築物、庭園、茶室など)を中心に、日本の伝統文化と歴史的変遷を学び、理解し、創作活動における古美術についての造詣を深める。
到達目標 奈良と京都の古美術(仏像、襖絵、建築物、庭園、茶室など)について説明できる。また、日本の古美術における美意識と表現方法について自らの創作活動において活用できる。(知識)
受講要件 デザイン工芸学科1年次と2年次の専門科目を全て修得していること。
履修取消の可否
履修取消不可の理由 必修科目のため
事前・事後学修 事前学習として、古美術について調査を行い、疑問点や質問等を整理する。
事後学習として、事前学内講義と古美術研究旅行で調査研究したことを古美術研究手帖とレポートにまとめる。なお、古美術研究旅行で調査研究する社寺仏閣は文化財であるが、同時に宗教における信仰の対象であることを理解し、社寺仏閣関係者及び他の拝観者に迷惑がかからないように十分注意すること。
講義内容 古美術研究事前学内講義1 (非常勤講師・矢野健一郎)・6月27日
 1.仏像彫刻の解体と修理
 2.仏像のレントゲン撮影による内部構造
 3.天平時代の塑像の構造
 4.玉眼の方法
 5.吉野蔵王権現堂、蔵王権現の修理
 6.円城寺、運慶作大日如来摸造等
古美術研究事前学内講義2(非常勤講師・重森千青)・6月28日
 1.日本庭園の基本理念と様式
 2.庭園構成について(1):理想郷を作る→植物や石による表現方法
 3.庭園構成について(2):遠近法の活用→狭小な空間の見せ方

古美術研究旅行
奈良
古美術研究現地講義1・2(非常勤講師・矢野健一郎)
東大寺南大門,大仏殿,俊乗堂,法華堂,二月堂,戒壇院,秋篠寺
古美術研究:奈良国立博物館,東大寺,秋篠寺,聖林寺,室生寺,新薬師寺,薬師寺,興福寺,唐招提寺,春日大社など

京都
古美術研究現地講義3(非常勤講師・重森千青)
大徳寺真珠菴,大徳寺孤篷庵
古美術研究:平等院,教王護国寺,聖護院,三十三間堂,大徳寺聚光院,大徳寺真珠庵,大徳寺孤篷庵,大徳寺高桐院,南禅寺金地院,南禅寺天授庵,東山慈照寺,妙心寺麟祥院, 妙心寺天球院など

*古美術研究旅行の見学先については、見学先の都合などにより変更することがある。
期末試験実施の有無 実施しない
評価方法・基準 古美術研究手帖(全体構成,調査)(80%)とレポート(20%)を総合的に評価する。
古美術研究手帖は、事前学内講義、現地講義、各社寺仏閣での説明及び資料、観察したこと、調査したことについてまとめること。なお古美術研究手帖とレポートは引用文献と参考文献の出典を明記すること。
評価基準
「秀」積極的な研究を行い、古美術研究手帖とレポートにおいて充実した研究と各自の研究に繋がる独自の研究が認められた場合
「優」積極的な研究を行い、古美術研究手帖とレポートにおいて充実した研究が認められた場合
「良」積極的な研究を行い、古美術研究手帖とレポートにおいて一定の学習効果が認められた場合
「可」積極的な研究が認められない場合
教科書等 <参考>
日本美術史---『日本古寺美術全集』『日本美術全集』『美術作品レファレンス事典』
仏教---『岩波仏教辞典』
仏像---奈良国立博物館『みほとけのかたち』『奈良博三昧至高の仏教美術コレクション特別展』
庭園---重森三玲『日本の名園』、重森千青『日本庭園』
岡崎文淋『日本の古庭園 上巻』・『日本の古庭園 下巻』同朋社
茶-----岡倉覚三『茶の本』講談社新書、熊倉功夫『茶の湯』教育社
襖絵---『別冊太陽狩野派決定版』平凡社
担当者プロフィール 野田睦美:織作家、博士(美術)、ゴブラン織資格取得、研究室:芸術学部棟3階 346研究室
矢野健一郎:矢野造形技法研究所代表、東京芸術大学奈良古美術研究施設非常勤講師
重森千青:(有)重森庭園設計研究室代表、京都工芸繊維大学非常勤講師
講義に関連する実務経験 野田 睦美【文化庁海外派遣員(染織・現代美術・パリ国立高等美術学校】
課題や試験に対するフィードバック 事前学内講義と古美術研究旅行現地講義と古美研手帖における質問や感想に対して説明する。
アクティブ・ラーニング
キーワード 古美術、仏像、仏画、襖絵、日本庭園、日本美術、禅宗美術、寺院建築、日本仏教、釈迦、茶の湯、東大寺南大門、大仏殿、俊乗堂、法華堂、二月堂、戒壇院、ミュージアム、秋篠寺、長谷寺、室生寺、奈良国立博物館、大徳寺大方丈、大徳寺真珠菴、大徳寺孤篷庵、東山慈照寺、聖護院、南禅寺金地院、南禅寺天授庵、三十三間堂、妙心寺麟祥院、妙心寺天球院、平等院、教王護国寺等
備考 古美術研究旅行代金(約8万円・往復の交通費を除く5泊6日の宿泊費、貸切バス代、駐車場代、特別拝観料、食事代等)を指定された期日(7月中頃)に旅行会社に入金のこと。