科目名 国際金融論T
単位数 2.0
担当者 高久 賢也
履修時期 前期
履修対象 博士前期課程1、2年
講義形態 演習
講義の目的  国際金融論Tおよび国際金融論Uの講義では、国際金融の分野において世界的に著名なテキストである『International Economics : Theory and Policy (Tenth Edition)』の和訳版の輪読を行う。国際金融は、国際経済学の一分野であり、テキストではその内容を第13章から解説している。国際金融論Tでは、第13章から第17章までの内容について理解していく。
到達目標  学生が、国際金融に関する深い専門知識を修得し、国際金融の諸問題に対する洞察力を高めることを目標とする。
受講要件  学部のミクロ経済学、マクロ経済学、および金融論などの科目の知識を前提する。
履修取消の可否
履修取消不可の理由
事前・事後学修  報告の準備をしっかりと行うこと。ディスカッションに備えて事前にテキストを必ず読んでおくこと。
講義内容 1. 講義の概略、および導入
2. 国民所得計算と国際収支@ 「国民所得計算」・「開放経済での国民所得勘定」
3. 国民所得計算と国際収支A 「国際収支勘定」
4. 為替レートと外国為替市場:アセットアプローチ@ 「為替レートと国際取引」・「外国為替市場」
5. 為替レートと外国為替市場:アセットアプローチA 「外国通貨資産の需要」
6. 為替レートと外国為替市場:アセットアプローチB 「外国為替市場での均衡」・「金利、期待、均衡」 
7, 貨幣、金利、為替レート@ 「お金の定義:概要」・「個人によるお金の需要(貨幣需要)」・「お金の総需要(総貨幣需要)」
8. 貨幣、金利、為替レートA 「均衡金利:通貨供給と貨幣需要の相互関係」・「短期での貨幣供給と為替レート」
9. 貨幣、金利、為替レートB 「長期の貨幣、物価水準、為替レート」・「インフレと為替レートの動態」
10. 物価水準と長期的な為替レート@ 「一物一価の法則」・「購買力平価(PPP)」・「購買力平価に基づく長期的為替レートモデル」
11. 物価水準と長期的な為替レートA 「PPPと一物一価法則の実証的証拠」・「PPPの問題点を説明する」
12. 物価水準と長期的な為替レートB 「購買力平価を超えて:長期為替レートの一般モデル」・「国際金利格差と実質為替レート」・「実質金利平価」
13. 短期的な産出と為替レート@ 「開放経済における総需要の決定要因」・「総需要の方程式」・「短期的な産出の決まりかた」
14. 短期的な産出と為替レートA 「短期的な産出市場均衡:DD曲線」・「短期的な資産市場均衡:AA曲線」・「開放経済の短期均衡:DD曲線とAA曲線を組み合わせる」
15. 短期的な産出と為替レートB 「金融・財政政策の一時的な変化」・「インフレバイアスなどの政策形成の問題」・「金融・財政政策の恒久的シフト」・「マクロ経済政策と経常収支」・「貿易フローの段階的調整と経常収支の動向」・「流動性の罠」

※ 授業の順序は変更することがある。
期末試験実施の有無 実施しない
評価方法・基準  授業態度(20%)、発表内容(40%)、議論に対する取り組み(40%)で評価する。
教科書等 教科書:P.R.クルーグマン・M.オブストフェルド・M.J.メリッツ著 『クルーグマン国際経済学
    理論と政策 原著第10版 下 金融編』 丸善出版 2017年
担当者プロフィール 専門分野:国際金融論、国際マクロ経済学
講義に関連する実務経験
課題や試験に対するフィードバック ・輪読においては、テキストの内容について適宜議論を行う。
・テキスト内容報告とは別に課題を出す場合には、それについての解説を行う。
アクティブ・ラーニング
キーワード 国際収支、外国為替市場、為替レート、開放マクロ経済学
備考  受講生の状況によっては、テキストを変更することがある。