科目名 国際金融論U
単位数 2.0
担当者 高久 賢也
履修時期 後期
履修対象 博士前期課程1、2年
講義形態 演習
講義の目的  国際金融論Tおよび国際金融論Uの講義では、国際金融の分野において世界的に著名なテキストである『International Economics : Theory and Policy (Tenth Edition)』の和訳版の輪読を行う。国際金融は、国際経済学の一分野であり、テキストではその内容を第13章から解説している。国際金融論Uでは、第18章から第22章までの内容について理解していく。
到達目標  学生が、国際金融に関する広い専門知識を修得し、理論と政策の両面から国際金融の諸問題について理解し、考えることができるようになることを目的とする。
受講要件  ミクロ経済学、マクロ経済学、および金融論などの科目の知識を前提する。
履修取消の可否
履修取消不可の理由
事前・事後学修  報告の準備をしっかりと行うこと。ディスカッションに備えて事前にテキストを必ず読んでおくこと。
講義内容 1. 講義の概略、および導入
2. 固定為替レートと外国為替介入@ 「なぜ固定為替レートなんかを研究するんだろうか?」・「中央銀行の介入と貨幣供給」
3. 固定為替レートと外国為替介入A 「中央銀行はどうやって為替レートを固定するか」・「固定為替レートの安定化政策」・「国際収支危機と資本逃避」
4. 固定為替レートと外国為替介入B 「管理フロート制と不胎化介入」・「国際通貨制度における準備通貨」・「金本位制」
5. 国際通貨システム:歴史のおさらい@ 「開放経済におけるマクロ経済政策の目標」・「通貨システムの分類:開放経済の通貨のトリレンマ」・「金本位制での国際マクロ経済政策(1870?1914)」
6. 国際通貨システム:歴史のおさらいA 「戦間期(1918?39)」・「ブレトンウッズ体制と国際通貨基金(IMF)」・「国内均衡と対外均衡を達成する政策オプションの分析」・「ブレトンウッズ体制下のアメリカの対外均衡問題」
7, 国際通貨システム:歴史のおさらいB 「変動為替レートの支持論」・「変動為替レートのもとでのマクロ経済的相互依存」・「1973年以来の教訓とは?」・「固定為替レートは多くの国にとってそもそも選択肢になり得るか」
8. 金融のグローバル化:機会と危機@ 「国際資本市場と取引による利益」・「国際銀行業務と国際資本市場」
9. 金融のグローバル化:機会と危機A 「銀行業務と金融の脆弱性」・「国際銀行業務の規制という難問」
10. 金融のグローバル化:機会と危機B 「国際金融市場は資本とリスクをうまく配分できただろうか?」
11. 最適通貨圏とユーロ@ 「ヨーロッパの単一通貨はどう発展したか」
12. 最適通貨圏とユーロA 「ユーロとユーロ圏の経済政策」・「最適通貨圏の理論」
13. 最適通貨圏とユーロB 「ユーロ危機とEMUの未来」
14. 発展途上国:成長、危機、改革@ 「世界経済の所得,富,成長」・「発展途上国の構造的な特徴」・「発展途上国の借り入れと負債」
15. 発展途上国:成長、危機、改革A 「東アジア:成功と危機」・「発展途上国の危機の教訓」・「世界の金融「アーキテクチャ」再編」・「世界資本フローと世界所得分配を理解する:地理が命運を決めるのか?」

※ 授業の順序は変更することがある。
期末試験実施の有無 実施しない
評価方法・基準  授業態度(20%)、発表内容(40%)、議論に対する取り組み(40%)で評価する。
教科書等 教科書:P.R.クルーグマン・M.オブストフェルド・M.J.メリッツ著 『クルーグマン国際経済学
    理論と政策 原著第10版 下 金融編』 丸善出版 2017年
担当者プロフィール 専門分野:国際金融論、国際マクロ経済学
講義に関連する実務経験
課題や試験に対するフィードバック ・輪読においては、テキストの内容について適宜議論を行う。
・テキスト内容報告とは別に課題を出す場合には、それについての解説を行う。
アクティブ・ラーニング
キーワード 為替相場制度、国際通貨制度、国際金融市場、最適通貨圏
備考  受講生の状況によっては、テキストを変更することがある。