科目名 医用ロボット学特論
単位数 2.0
担当者 医用情報科学専攻 准教授 長谷川 義大
履修時期 後期
履修対象 1,2年次
講義形態 講義
講義の目的 微小な電子回路と機械要素を一つの基板上に組み込んだMEMS技術で作られるMEMSデバイスは,産業界を中心に様々な分野で使用されている.本技術は現在では医用分野においても重要な役割を果たすようになりつつあり,精密医療機器の実現や,医用ロボットの性能向上に寄与している.本授業では,医用ロボットの感覚器機能を実現するためのマイクロセンサ技術を中心にして多種多様なマイクロセンサ,マイクロアクチュエータ技術について学び,これらのデバイスの成り立ち,構成などの理解を深めることによって,医療分野でのデバイス開発をするための基礎を身に付けることを目的とする.
到達目標 現代のロボット技術に欠かせないマイクロセンサ,アクチュエータ技術についての知識を習得することを目標とする.以下に具体的な到達目標を示す.
@マイクロセンサ,アクチュエータの構造および原理を説明できる.
Aマイクロセンサの設計方針について具体的な一例を説明できる.
B実際に世の中で使用されている(市販されている)マイクロセンサについて,動作原理および使用方法を説明できる.
受講要件 電気回路,物理学を履修していることが望ましい.
履修取消の可否
履修取消不可の理由
事前・事後学修 ロボットなどの感覚器に用いられるマイクロセンサは,自然現象や機械,電磁気,熱的等の情報を,様々な物理,化学原理を応用して人間が扱いやすい電気信号に置き換える装置である.よって,本分野に関連する自然科学,工学分野の予習,復習を行うことが必要である.また,講義にて配布する資料,および講義後に行う演習課題なども併せて復習する.
講義内容 第1回 マイクロマシニング技術の歴史と概要
第2回 マイクロマシニング技術によるマイクロセンサの概要
第3回 マイクロセンサを実現するマイクロマシニングプロセス
第4回 マイクロ物理量センサの原理とその構造1(磁気,温度,光センサ)
第5回 マイクロ物理量センサの原理とその構造2(機械量センサ)
第6回 マイクロ化学量センサの原理とその構造1(ガスセンサ,イオンセンサ)
第7回 マイクロ化学量センサの原理とその構造2(磁気,温度,光センサ)
第8回 マイクロアクチュエータの原理とその構造1(静電)
第9回 マイクロアクチュエータの原理とその構造2(圧電,磁気,熱,空気圧)
第10回 マイクロセンサの使用及び信号計測手法1(差動増幅による微弱信号検出)
第11回 マイクロセンサの使用及び信号計測手法2(同期検波による微弱信号計測)
第12回 マイクロ触覚センサ技術
第13回 最新の触覚センサ技術の事例紹介
第14回 触覚提示技術の事例紹介
第15回 最新のマイクロセンサ技術の事例紹介
※授業の順序は変更することがある.
期末試験実施の有無 実施しない
評価方法・基準 授業中に実施する演習,レポート(80%)および講義参加度(20%)から総合的に判定する.評価基準には履修案内講義慨要記載の成績評価基準を適用する.上記に即し,講義内容を理解していることを確認できれば単位を認定する.
教科書等 教科書:使用しない(適宜資料配布)
参考書:三田吉郎,「MEMSデバイス徹底入門」,(日刊工業)
参考書:「MEMS開発&応用スタートアップ」,(CQ出版社)
参考書:藤田博之,「センサ・マイクロマシン工学」,(オーム社)
参考書:藤田博之,「マイクロ・ナノマシン技術入門―半導体技術で作る微小機械とその応用」,(工業調査会)
担当者プロフィール 医用ロボット研究室に所属.MEMS技術を用いたマイクロセンサなどのデバイス開発に従事.

【学生の学習指導・支援体制について】
講義内容や課題などに関する個別学習相談は随時受け付けている.
教員の所在は,学内サイネージ等に掲示されているので,確認の上訪ねてほしい.

所在:情報科学部棟4階420室
講義に関連する実務経験 実務経験(長谷川):2008年4月〜2015年3月 キヤノン株式会社に勤務(MEMS技術を用いた医療用センサの開発に従事)
課題や試験に対するフィードバック 提出課題については,次週以降の授業時に解説する.
アクティブ・ラーニング 振り返り
キーワード マイクロセンサ,MEMS,マイクロアクチュエータ
備考 【教職】高専修(情報)