科目名 知能数理特論A
単位数 2.0
担当者 知能工学専攻 教授 齋藤夏雄
履修時期 前期
履修対象 1・2年次
講義形態 講義
講義の目的 群論・環論・体論などの代数学の基礎的理論を一通り概観したうえで,それを基盤とした可換環論や代数幾何学の初歩を修得し,さらにそれらが情報科学の諸分野にどのように応用されるかについて理解する.具体的には,グレブナー基底の理論や楕円曲線と呼ばれる代数曲線の理論について学び,さらにそれらが暗号理論など他分野にどのような形で生かされているかについての理解を深める.
到達目標 代数学のさまざまな概念や理論について学んだうえで,それらを元にグレブナー基底や楕円曲線の群演算の計算の手法を修得し,情報科学の諸分野に応用できるようになる.(知識・技能)
代数学の諸理論を学ぶ過程で論理的思考力を培い,自らの力で理論を咀嚼し他分野にも展開できるようになる.(思考力・表現力)
受講要件 「線形代数学I, II」および「解析学I, II」など,学部で開講している数学系科目を履修し,その内容を修得していることが望ましい..
履修取消の可否
履修取消不可の理由
事前・事後学修 当日の授業や次回の授業の内容の理解を深めるために,授業中に指示された課題を行う.(学修時間:週120分)
講義内容 第1回:群論の基礎事項
第2回:環論の基礎事項
第3回:多項式環とイデアル
第4回:2変数多項式環の単項式順序
第5回:2変数多項式環の割り算アルゴリズム
第6回:グレブナー基底の定義
第7回:ブッフベルガーのアルゴリズム
第8回:グレブナー基底の他分野への応用
第9回:体論の基礎事項
第10回:アフィン平面とアフィン代数曲線
第11回:射影平面の概念
第12回:射影平面曲線
第13回:楕円曲線の定義と諸性質
第14回:有限体上の楕円曲線
第15回:楕円曲線の暗号理論への応用
期末試験実施の有無 実施しない
評価方法・基準 レポートにより, 講義で解説した内容の理解度を評価する.
教科書等 教科書は特に指定しない.
参考書:
永井保成,代数学入門,森北出版,2024.
D.コックス/J.リトル/D.オシー,グレブナー基底と代数多様体入門(上・下)原書4版,丸善出版,2023.
丸山正樹, グレブナー基底とその応用, 共立出版, 2002.
Lawrence C. Washington, Elliptic Curves - Number Theory and Cryptography, 2nd edition, CRC Press, 2008.
担当者プロフィール 齋藤夏雄 専門は代数幾何学.さらに,それを応用した符号理論や暗号理論にも興味を持っている.
研究室:情報科学部棟8階833研究室, natsuo@hiroshima-cu.ac.jp

学習指導・支援体制:
授業内容や課題などに関する学生の個別学習相談を,随時受け付けます.授業や会議あるいは出張などで不在のことがあるので,メールで面会の予約をしてください.
講義に関連する実務経験
課題や試験に対するフィードバック レポートは後日講評する.
アクティブ・ラーニング
キーワード 代数学,グレブナー基底,楕円曲線
備考 【教職】高専修(数学)