科目名 特別造形総合演習U
単位数 2.0
担当者 博士後期課程指導教員全員
履修時期 通年
履修対象 2年
講義形態 演習
講義の目的 この演習では、「特別造形総合演習T」に引き続き、理論系教員と実技系教員が共同で研究指導にあたる。学生の研究志向に応じて、作品の理論研究と創造的制作研究との二つの面の総合的指導を行う。
新型コロナ感染症の流行が収束するまでは、基本的にオンライン授業とする。
到達目標 「演習T」の成果を踏まえて、実技創作研究を自覚的に深めるとともに、美学・美術史の理論の研究をさらに進め、論文作成の能力を身につける。
受講要件 2年次の学生。
履修取消の可否
履修取消不可の理由 必修科目のため。
事前・事後学修 3年次の博士号申請を見据えて、論文のテーマ設定、文献の調査と読解などを学生各自が進め、論文執筆を進める。論文のテーマと関わる書籍を読んだり、展覧会で作品を見ること。
各自が個別に論文指導を受けることができる(担当者とメール等で相談)。
講義内容 【理論系】
○東洋・日本美術史の芸術論や造形芸術史の知識に基づき、各自の論文執筆において学術的な手法による論理展開が更に発展できるように指導する。
○西洋美術史・美学の芸術論や造形芸術に関する研究史を踏まえて、各自の問題関心を分析的に捉えられることを目指し、そのための基本的な研究方法を指導する。
○現代美術の理論や現代社会における芸術創造に関わる問題について、Tにおいて形成した基礎論をより発展させ、論文執筆において論理展開ができるように指導する。
【実技系】
〔日本画研究領域〕
Tにおける研究成果を踏まえ、より高度で幅広い表現能力の開発を図るべく指導する。その指導にあたっては、分担または合同であたり、理論系教員を加えて共同して行う。
○日本画制作のより高度で幅広い表現能力の開発、展開を図るべく指導するとともに、日本画研究全体の監修を行う。
○将来にわたる自主的研究、制作活動の礎となるテーマの深化とこれに必要な技法、表現能力向上のための理論的研究手法獲得を目指して指導を行う。
○日本画の古典研究、作品の模写からより専門的な技法・材料の研究を深め日本画制作への展開を図るべく指導する。
〔油絵研究領域〕
Tにおける成果を踏まえ、現代の絵画表現と、より深い理念の確立に向けた研究を重視し、指導する。その指導にあたっては、分担または合同であたり、理論系教員を加えて共同して行う。
○Tを踏まえ更に、歴史的な絵画表現の流れを意識しながら、絵画創作の契機を客観的に具体化・言語化し、制作の連続性と継続性を確認させる。
○西洋絵画の動向性を探求するとともに自己の創作活動の目標を明確化する。
○Tでの考察に裏付けられた、質的にも量的にも充分な制作を求める。
〔彫刻研究領域〕
Tにおける成果を踏まえ、より実践的、自立的に研究制作ができるよう指導するとともに、博士号申請に関わる論文と作品の指導を行う。
○石彫を中心として、環境に関わる造形研究をさらに進め、彫刻と精神、場の関係を理論的に探究するよう、理論系教員と連携を図りながら制作・理論の両面から指導する。
○金属、ミクストメディアを中心に造形研究をさらに進め、学生の表現欲求を理論的に探求するよう、理論系教員と連携を図りながら研究指導する。
○ミクストメディア等を中心に造形研究を進め、現代に生きる彫刻作家としての意義について思索し、制作と理論の両面から指導する。
〔現代表現研究領域〕
○作品とその背景を明らかにし、作品の意味性と社会性をより具現化した形で、発表活動につなげると同時に、社会におけるプレゼンテーションのあり方の研究指導を行う。
〔造形計画研究領域〕
Tに引き続いて、その研究成果を踏まえ、各々その創造的制作研究を探究させ、その根源を支える理論を確立するため、研究指導を行う。合わせて、博士号申請に関わる作品と論文について指導をする。
○プロダクトデザインを中心に人間生活の中でのモノのありようを考察し、より高次の思考、表現を実現するため理論系教員と連携し研究指導を行う。
○映像メディア造形分野における電子メディア表現を中心に、その先進性、独自性の提示を主題として研究指導を行う。
○視覚造形領域を中心に、前年度の研究成果を踏まえより高度な造形表現とともにその理論研究の指導を行うとともに、デザイン研究全体の監修を行う。
Tにおける研究成果を踏まえ、各々その創作表現研究を探究し、その根源を支える理論を確立するための研究指導を行う。合わせて、博士号申請に関わる作品と論文についての指導にあたる。
○Tの成果をもとに、金属造形におけるより高い創造的表現研究に繋げ、独創的な研究内容としていけるよう引続き理論的側面を加えた総合的な研究指導を行なう。また、工芸研究全体の監修を行う。
○Tを基に、金属造形の創造的制作研究をより深めるとともに、博士号申請を目標とした確固たる制作理論が構築できるよう指導する。
○染織造形を中心にTの研究成果を踏まえ、各々のテーマに応じた創作研究が、造形的及び理論的両面において更なる発展を遂げているか、理論系教員との連携により総合的に研究指導を行い、博士号申請に導く。
○Tの研究成果を踏まえ、海外や他研究機関との共同研究及び、今後の展開を主とした研究指導を行う。
期末試験実施の有無 実施しない
評価方法・基準 提出された論文を、次の5つの事項について総合的に評価する。100%
1 テーマ。問題意識の明確さ。
2 文献の的確性。調査研究の質、引用や参照の仕方。
3 オリジナリティ。内省する力と自己の思索を展開する力。
4 構成力。論点や論旨の整備、論述の整序、説得性。
5 表現力。整合性のある明晰な文章。
教科書等 各自の研究テーマに沿って指示する。

合同演習の講義中にも触れるが、論文の書き方を説明した参考書は数多く出版されている。教科書の指定はしないので、各自で調べ参照すること。

慶應義塾大学教養研究センター監修「学生による学生のための ダメレポート脱出法 (アカデミック・スキルズ)」2014年
佐渡島紗織 等「レポート・論文をさらによくする「書き直し」ガイド」大修館書店 2015年
小笠原喜康 「最新版 大学生のためのレポート・論文術 (講談社現代新書) 新書 」講談社現代新書 2018年
斎藤望 等「アカデミック・スキルズ(第3版) ――大学生のための知的技法入門」慶應義塾大学出版会 2020年
戸田山和久 「最新版 論文の教室: レポートから卒論まで (NHKブックス 1272)」NHKブックス 2020年
佐渡島紗織 等「レポート・論文をさらによくする「引用」ガイド」大修館書店 2020年
担当者プロフィール
講義に関連する実務経験
課題や試験に対するフィードバック 主指導教員によるレポート・プレゼンへのコメント、オンラインやE-mail、面談による論文指導等。
アクティブ・ラーニング PBL フィールドワーク 調査活動
キーワード 博士論文 調査方法 研究方法
備考 講義に関連する連絡は、WebClassのメールでおこなうので、見落とさないようにすること(重要)。補講、その他、状況によってはオンラインで行う事がある。