Research presentations
Number of the published data : 13
No. Assortment Subject of presentation Conference Date URL Description
1 Public discourse, seminar, tutorial, course, lecture and others
Metamorphosis of Angel: Walter Benjamin’s Thought on Language and History
The 2nd Lecture on Culture in 2018 of the Research Association for Jewish Culture Kobe
2018/09/29
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ベンヤミンは、1921年にクレーの《新しい天使》を手に入れて以来、著作に繰り返し天使の像を描いている。そこには自身のユダヤ性と、主にドイツ語による著述活動との狭間に、同時にメシアによる救済と、被造物の世界を貫く衰滅との狭間に漂いながら、言語と歴史を徹底的に問うベンヤミンの思考が凝縮されていよう。この講演では、そのような天使の像の変貌を手がかりに、言語と歴史をめぐる彼の思考を検討する。
2 Symposium workshop panel(nominated)
Toward the Critical Construction of Music-Theater: From Aesthetics by Water Benjamin and Theodor W. Adorno
Symposium on Theatrocracy: Aesthetics and Politics of Spectators
2017/09/11
URL
アドルノの『ヴァーグナー試論』におけるヴァーグナーの「総合芸術作品」が資本主義社会の「幻像(ファンタスマゴリー)」と化してしまうという議論を、現在のオペラの文化的現象に当てはまるものとして捉えつつ、そこに含まれる観客支配制の問題にも論及したうえで、モーツァルトの《コジ・ファン・トゥッテ》と細川俊夫の《リアの物語》を、従来のオペラが表象してきた「人間」の像からはみ出す人間の深淵にある力を響かせるオペラとして論じた。そして、ベンヤミンとアドルノの美学を手がかりに、オペラを詩的な要素と音楽的要素の緊張のなかで、人間の残余の媒体をなす「音楽゠劇」として捉え返す可能性を提示した。
3 Symposium workshop panel(nominated)
Sing by Killing Words!: Questioning Poetry from Gozo Yoshimasu’s Works
Catastrophe and Poem: From the Works of Gozo Yoshimasu
2017/03/11
URL
『怪物君』を含む最近のものを含めた吉増剛造の詩作を、原民喜とパウル・ツェランの詩作との布置において検討し、破局の後の詩ならびに言葉の可能性を「うた」という観点から問う。
4 Symposium workshop panel(nominated)
The Potential of Opera as an Contemporary Art in Toshio Hosokawa’s Operas
Making Opera in Germany: Reflections on the Premiere of Toshio Hosokawa’s Opera “Stilles Meer”
2016/03/26
URL
まず、ベルリンでの《松風》、デュイスブルクでの《班女》、広島での《班女》および《リアの物語》というように、ドイツと広島で細川俊夫さんのオペラ作品の上演に接してきた経験を振り返りつつ、またドイツで刊行された対談書(拙訳による日本語版が刊行予定)の„Musiktheater“の章における細川さんの言葉も参照しつつ、能の精神から現代のオペラの表現の地平を開拓してきた細川さんの作品の特質に触れる。そのことを踏まえて、ハンブルクで初演された《海、静かな海》の細川さんのオペラ作品における位置をあらためて測り、その初演を振り返ることによって、東日本震災および原発事故後の現代に向き合うこの新たなオペラの特徴を掘り下げる。これらをつうじて、この作品をはじめとする細川さんのオペラから見て取られる、現代の芸術としてのオペラの可能性の一端に迫った。最後に、今後の広島での細川さんのオペラ作品の上演予定にも触れた。
5 Oral presentation(keynote)
広島から現代のオペラを創るために:細川俊夫《リアの物語》広島初演の成果と課題
シンポジウム「《リアの物語》から考える:日本での現代オペラ上演の現状と課題」
2015/03/29
URL
2015年1月30日と2月1日に広島市のアステールプラザ中ホールで行なわれた細川俊夫のオペラ《リアの物語》の広島初演の能舞台を用いた舞台の特色やプロダクションの特徴などを確認したうえで、それを主催したひろしまオペラ音楽推進委員会の継続的な事業の一端を紹介するとともに、《リアの物語》広島初演の成果と課題を踏まえ、広島における、ないしは広島からの現代のオペラの創造へ向けた課題を提示する。
6 Symposium workshop panel(nominated)
アウシュヴィッツとヒロシマ以後の詩の変貌──パウル・ツェランと原民喜を中心に
第46回原爆文学研究会「戦後70年」連続ワークショップIV「カタストロフィと〈詩〉」
2014/12/21
URL
テオドーア・W・アドルノの「アウシュヴィッツの後に詩を書くことは野蛮である」という言葉を、その文脈から跡づけ、そこに含まれる問いを取り出したうえで、それに対する詩の応答の一端を、原民喜とパウル・ツェランの詩作のうちに求め、そこに含まれる詩の変貌ないし変革に、破局の後の詩の可能性を見ようとする。
7 Oral presentation(general)
翻訳から言葉を見つめ直す──ベンヤミンの言語哲学を手がかりに
第79回上智大学哲学会大会
2013/10/27

第一次世界大戦のさなかに、今も続く言語の道具化を批判しながら、言語を生そのものと結びつけながら、言葉を応え合う生の息吹として捉え返し、言語の本質にある肯定性と歓待性に迫ろうとするベンヤミンの言語哲学の基本的なアプローチを紹介したうえで、言葉を発すること自体を翻訳と捉える彼の視点を提示し、そこから言語そのものが、さらには文化の形成過程がどのように見つめ直されうるか、という問題に対して、一定の方向性を示唆する。
8 Oral presentation(general)
Toward the Poetics of Echo: From Revisiting the Image of ‘Echo’ in Walter Benjamin’s Writings
The 19th International Congress of Aesthetics
2013/07/23

xploring the image of “echo” in Benjamin’s writings, I pursued a path to respond to Adorno’s famous dictum concerning the poetry “after Auschwitz”, and also the possibility of the historical imagination beyond so-called “limits of representation”. In the presentation, I referred to some poems of Paul Celan and Tamiki Hara.
9 Oral presentation(general)
For Unrelieved Souls in Hiroshima
Cultural Typhoon 2012 in Hiroshima
2012/07/14

広島において「軍都」の歴史が今も連続していることを踏まえつつ、生き残りたちの怨念のうちにも谺している死者たちの記憶に触れる生の深みから、想起の経験とともに、死者の名と死者が生きた出来事の名を呼び、歴史を、いや歴史そのものを捉え直す詩的な可能性を、ベンヤミンの歴史哲学を手がかりに構想する。こうして歴史を問うことは、例えば「唯一の被爆国」などの物語によって簒奪され、歴史から抹殺されてきた記憶を今ここに呼び覚ます可能性を模索することであるとともに、「進歩」や「成長」の歴史の連続によって生命が根幹から脅かされている現在において、その歴史を中断させる回路を「東アジア」の時空間のうちに探ることでもある。
10 Oral presentation(general)
For an Alternative Concept of History
A Philosophical Conference Questioning the Possibility of Philosophy from German and Japanese Standpoint
2012/03/18

2011年3月11日の東北・東日本の大震災の死者たちが置き去りにされるなか、福島第一原子力発電所の人災に至った「復興」の歴史が繰り返され、「復興」と「進歩」の神話に人々が巻き込まれようとしている状況を問題にしながら、歴史を見直し、歴史そのものの概念を、一人ひとりが他者、そして死者とともに生きることのうちに取り戻す可能性を探る。ベンヤミンが、無意志的想起の経験から歴史の概念を捉え直そうとしたことを参照しながら、美化された神話としての物語に解消されない、生きることを深く肯定することと結びつくような歴史、さらにはその表現の可能性を探究することを、哲学および美学の課題として提示する。
11 Oral presentation(general)
生きることをつなぐ──抵抗としての文化を想像/創造するために
広島市立大学社会連携プロジェクト研究&ヒロシマ平和映画祭2011共同企画「抵抗としての文化を語るII」シンポジウム「抵抗としての文化を想像/創造するために──オキナワとヒロシマから考える」
2011/12/10

文化そのものを、芸術などの美的経験を通して生きることを掘り下げ、その深みもろとも肯定する営為として捉え直したうえで、情報や商品として消費されることに対する芸術作品の抵抗こそが美的経験の場となることを示し、その契機をジャン=マリー・ストローブ+ダニエル・ユイレ監督の映画『アンティゴネ』から取り出したうえで、それに内在する間テクスト的な呼応関係に着目し、広島の抵抗の文化の遺産を、間テクスト的な視野をもって継承する可能性を、記憶の文化の深化へ向けて提示する。
12 Oral presentation(general)
Versuch einer Ästhetik des Echos
Open Colloquium of Faculty of Humanities Yamaguchi University
2011/03/21

ベンヤミンの著作に表われる「谺」のイメージに着目して、他者の言葉の谺を響かせる経験のありようを、その美的な強度も含めて掘り下げることで、ベンヤミンが「翻訳」の概念を軸に考えようとする言葉を語る活動一般を、美的でありうる経験として捉える見通しを開くとともに、その経験を結節点としてベンヤミンの言語哲学と歴史哲学を接続させる可能性も構想し、さらには彼が語る翻訳の「自由」のなかから、「言語の生成」とともに創造される自由な生の可能性を取り出そうと試みる。
13 Oral presentation(general)
歴史を語る言葉を求めて──ベンヤミンの歴史哲学を手がかりに
日本ディルタイ協会2010年度大会共同討議「歴史を語るとは?」
2010/12/04

歴史を語るとはどのような営みかが、歴史を語ること自体が排除してきた出来事の記憶によって根底から問われている状況を踏まえ、過去の出来事を想起する経験と、歴史を語る言葉との関係を、ベンヤミンの歴史哲学を手がかりにして編み直す。ベンヤミンにとって想起とは、従来の表象の限界を越えた過去に直面させられる、無意志的な想起の経験であり、歴史を語る言葉も、一つ一つの出来事を名づけ、その記憶を今に呼び出すことが根底にある、想起の媒体として生成する過去の像である。そのような洞察を踏まえ、想起の経験のなかから歴史を語る可能性を見通すことによって、死者を含めた他者とともに生きること自体を構成する営みとして、歴史を語ることを捉え直す可能性を提示する。